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ベトナムの高齢者向けサービス開発のためのビジネスフォーラム

20211111日ホーチミン市:コロナ禍から「ニューノーマル」と呼ばれる新しい生活様式へと社会が進む中で、ベトナムで高齢者向けサービス開発への民間企業の参画を促すための初のビジネスフォーラムが開催されました。オンライン形式で行われたこのイベントには、ベトナム国内外から100社以上の企業が参加しました。

 

ベトナム商工会議所副会長兼同会議所ホーチミン支局長のボ・タン・タイン氏と、国連人口基金(UNFPA)ベトナム事務所長の北原直美が共同議長を務めたこのフォーラムは、日本政府の支援を受けてUNFPAが実施するプロジェクト「社会的に脆弱な人々に対する新型コロナの負の影響の軽減ベトナムのSDGs達成に向けた国家発展のために」の一環として開催されました。

 

フォーラムでは、ベトナムの高齢者介護業界の概況、介護のニーズ、コロナ禍とニューノーマル社会における「シルバー・マーケット」(高齢者向けの商品やサービスなどの市場)の可能性について、参加者が議論を展開。また、「ベトナムの高齢者介護サービスに関する市場の展望に関する報告書」が公表され、高齢者向けサービスのベトナム国内市場は2035年までに、2千万人の顧客が見込まれる有望な市場との分析結果も示されました。高齢者は知恵や経験面で国の発展にとって貴重な人材で、社会利益の増大や所得と雇用の創出など成長市場での極めて重要な推進力となります。

 

ビジネス関係者らは、特に介護業界に関する政策について、政策決定者と率直な意見交換を行いました。少子高齢化がもたらす機会を最大限に活かすことを目的として、参加者はその動向と将来の展望について議論。介護業界が、コロナ禍の高齢者のニーズに応えるための革新的な解決の糸口になるとの意見が出されました。

 

ボ・タン・タイン氏(ベトナム商工会議所副会長兼同会議所ホーチミン支局長)は冒頭挨拶で、多くの省や市、とりわけホーチミン市などが、新型コロナウイルス感染症(パンデミック)の第4波で大きな社会経済的打撃を受けるなかで、本フォーラムの果たす役割が大きいとの認識を示しました。

 

ボ・タン・タイン氏は、「ベトナムの高齢者介護分野での産業規模は非常に大きいにもかからず、その可能性はこれまで検討されておらず、現状では、高齢者の多様かつ高まるニーズに応えられるような産業として十分に発展していません。こうした発展の阻害要因として、未開発のインフラ、民間セクターの投資を促すインセンティブとなる政策の欠如、限られた財源と人的資源、テクノロジーを上手く駆使できていないことなどが挙げられます。ベトナムの文化に即した効果的なサービスモデルもまだ存在していません。高齢者の行動変容を促すコミュニケーション戦略や活動などは、より効果的でなければなりません。本日のフォーラムは、全ての関係機関にとって、重要かつ可能性を秘めた高齢者介護産業の突破口を見つける機会になります」と話しました。

 

UNFPAベトナム事務所長の北原直美は、企業の高齢者向け介護事業への参画が限られている現状を踏まえて、本フォーラムの企画の重要性について強調。「新型コロナウイルス感染症は年齢を問わず拡大していきますが、高齢者や基礎疾患を持つ人々では重症化のリスクが高まり、他の年齢層に比べて死亡率も高くなります。同時に、ベトナムでは死亡率および出生率の減少により少子高齢化が加速しています。2020年、65歳以上の高齢者は人口の8%を占め、2036年までに少子高齢化が「進行している」という段階から「進行が完了した」という段階に移行し、65歳以上が全人口の14%を占めると予測されています。このことは、高齢者介護の必要性だけでなく、介護業界にとってのビジネスチャンスであることを示しています」と話しました。

 

在ベトナム日本大使館の岡部大介公使は、「日本でもベトナム同様、少子高齢化および出生率低下の傾向があり、高齢者に介護ケアサービスを提供するため、ここ数十年間でビジネス事業が数多く生まれ、その大部分はとても革新的なものでした。日本政府は、特に介護業界の政策に関して、ビジネス関係者が政策決定者との対話に参加できるよう、UNFPAとベトナム商工会議所を支援しています」と話しました。

 

本フォーラムには、海外直接投資機関、ベトナムの国内企業、製造業者、日本企業からの責任者に加え、日本、韓国、アメリカおよびユーロ圏を含む海外の商工会議所代表者、各国領事館の経済担当官などが参加しました。

 

新型コロナ感染症を克服するためには高齢者が優先されなければならないこと、人道支援および開発の取り組みにおいて誰一人取り残さないことを保障することなどを確認したうえで、今後の対策に関する提言を採択してフォーラムは締めくくられました。

 

補足事項:

ベトナム労働・傷病兵・社会省の試算によれば、日常的に介護を要する高齢者の数は、2019年の400万人から2030年までに約1千万人まで膨らむとされています。

 

本文は当該プレスリリースを、駐日事務所にて独自に編集したものです。

 

問い合わせ先:

ベトナム商工会議所

グエン・ソン・フォン(Ms.

メール:bea@vcci-hcm.org.vn  

 

UNFPAベトナム事務所 コミュニケーション・オフィサー

ディン・トゥ・フォン (Ms.)

メール:dhuong@unfpa.org