現在地

2017年10月3日、国際連合のアントニオ・グテーレス事務総長は、国連人口基金(UNFPA)の事務局長にナタリア・カネムを任命しました。

カネムは、30年以上の間、医学、公衆衛生及び性と生殖に関する健康、社会正義、社会奉仕事業分野において指導的立場で指揮してきました。カネムは、1969年より活動を開始しているUNFPAの第5代事務局長となります。

「UNFPAの使命は、今日未だかつてないほどに意義のあるものと言えます」とカネムは述べています。

カネムは、コロンビア大学とジョンズ・ホプキンス大学で、医学と公衆衛生の研究者としてキャリアをスタートしました。1992年から2005年 にかけて、フォード財団に勤務し、同財団の西アフリカ代表として女性の性と生殖に関する健康や、セクシュアリティ分野における先駆者として尽力しました。財団本部では、アフリカ、アジア、東ヨーロッパ、南北アメリカにおける世界平和と社会正義を促進するプログラムを総括する副代表として活躍しました。

2014年から、UNFPAのタンザニア代表を務め、2016年7月にプログラム担当の事務局次長に就任しました。

カネムは、アフリカの青少年と子どもたちのために主に活動する民間企業、ELMAフィランソロピーの創業社長であり、またカリブ諸国の開発を手掛けるロイド・ベスト西インド諸島研究所のシニア・アソシエイトを務めました。

カネムは、ニューヨークのコロンビア大学で医学博士号を、シアトルのワシントン大学で、疫学、予防医学を専門とした公衆衛生の修士号を取得。また、歴史と科学を専攻したハーバード大学では、成績優秀者に贈られるマグナ・カム・ロードを授与されています。

 


2011~2017 : ババトゥンデ・オショティメイン (Babatunde Osotimehin, MD)

https://tokyo.unfpa.org/sites/default/files/Babatunde_5.jpg

ナイジェリア連邦共和国出身。ナイジェリア連邦共和国のイバダン大学でMBBS(医学士・科学士)を、イギリスのバーミンガム大学で薬学博士号を取得。2008年から2010年までナイジェリア連邦共和国の保健大臣を務め、ナイジェリア国内のHIV/エイズ対策を統合する、ナイジェリアの国家HIV/エイズ活動委員会の委員長を経て、国連人口基金 事務局長に。2017年没。

 

2001年~2010 : トラヤ・A・オベイド (Thoraya Ahmed Obaid, PhD)

https://tokyo.unfpa.org/sites/default/files/Thoraya.jpg

サウジアラビア王国出身。同国初の女性国費留学生として米国の大学に入学し、英文学と文化人類学の博士号を取得。1975年以降、国連・西アジア経済社会委員会(ESCWA)に勤務。1998年に国連人口基金(UNFPA)に加わり、アラブ諸国・ヨーロッパ局長を経て国連人口基金事務局長に就任。女性のエンパワーメント(女性の能力強化を通じた社会的地位の向上)を通じ、男女を問わず市民としての権利と義務とを行使できる社会を目指す。就任後も、さまざまな文化や宗教への配慮を重んじる姿勢を国連人口基金の活動に取り入れていた。

 

1987年~2000年 : ナフィス・サディック (Nafis Sadik, MD)

https://tokyo.unfpa.org/sites/default/files/Nafis.jpg

パキスタン(パキスタン・イスラム共和国)出身、医学博士。1987年から2000年まで、国連人口基金の事務局長として、女性が直接的に開発政策策定に関与することの重要性を訴えるとともに、1994年の国際人口開発会議(ICPD/カイロ会議)を成功に導いた。現在も国連事務総長付き特別顧問およびアジア太平洋地域HIV/ エイズ問題特使を務める。

 

1969年~1987年 : ラファエル・M・サラス (Rafael M. Salas)

https://tokyo.unfpa.org/sites/default/files/Rafael.jpg

フィリピン出身。国連人口基金初代事務局長。「ミスター人口問題」と呼ばれ、人口問題対策が開発の主要な課題の一つであることを、国際社会に広く認知させるにあたり、大きく貢献した。1974年の世界人口会議及び1984年の国際人口会議開催の立役者。1987 年没。