ジェンダーの平等:開発の要
ジェンダー(男女の社会的性差)の平等とは、つまり人権を意味します。それは、女性にも男性と同様に、尊厳を持ち、貧困と恐怖から解き放たれ、自由のうちに生きる権利があるからです。女性のエンパワーメント(女性の能力強化を通じた社会的地位の向上)も、開発を推進し、貧困を減らすために不可欠な手段となります。
女性のエンパワーメントは、家族やコミュニティ全体の健康と生産性の向上、および次世代に向けよりよい展望を拓くことに貢献しています。ジェンダーの平等の重要性は、ミレニアム開発目標(MDGs)にある8つの目標のなかの1つに加えられていることからも明白です。さらに、ジェンダーの平等は、他の7つの目標を達成するうえでも不可欠であると認められています。
しかしながら、ジェンダーに基づく暴力や経済的差別、性と生殖に関する健康(SRH)に関する不公平、そして有害な伝統的慣習といった、女性や少女たちに対する差別は、依然として根深い不平等の原因となっています。女性や少女たちは、特に武力紛争などの人道支援を必要とする緊急事態、および紛争が収まったポスト・コンフリクト時の多大な困難に耐えているのです。国連人口基金は30年以上にわたり、率先して女性のための政策提言を行い、法律と政策の改正やジェンダーに配慮したデータ収集を推進し、そして女性の健康を改善して人生の選択肢を広げる事業を支援してきました。