ICPD25周年 ナイロビ・サミット開催報告

 

2019年11月12~14日、ケニアの首都ナイロビにて、1994年の国際人口開発会議(カイロ会議/ICPD-International Conference on Population and Development)から25年目となるナイロビ・サミットが開催されました。

 

ナイロビ・サミットは、カイロ会議において、人口問題に関する各国の合意に基づいて採択された「行動計画」の進捗を確認し、その目標達成と展望について話し合う重要な会議として、政府機関、NGO、ユース団体など合わせて170の国々から、9500人以上の人びとが参加しました。

 

本サミットの特徴は、サミットを議論する場で終わらせず、閉幕後に「行動計画」を達成させるための参加者らによる「コミットメント」の表明にあります。コミットメントの数は1250に達し、こちらからご覧いただけます。

 

【オープニング・セレモニー】

12日、サミット会場のケニヤッタ国際会議場(KICC)にて、オープニング・セレモニーが行われました。詳細はこちらから。

 

【ナイロビ声明】

今般のサミットでは、ナイロビ声明として12のコミットメントが制定されました。

声明の全文はこちらです(英文)

 

ナイロビ声明(仮訳)

  1. ICPD行動計画の達成を加速させ、SDGs及びアジェンダ2030を実現するため
  2. 家族計画サービスへのアクセスが満たされない状況をZEROに
  3. 妊娠・出産による妊産婦の死亡をZEROに
  4. すべての若者が正しい知識と情報を入手し、自身でSRHRの選択ができるようにする
  5. ジェンダーに基づく暴力と児童婚やFGMなどの有害な慣習をZEROに
  6. ICPD行動計画の実現を推進するための国家予算配分と新しい資金調達の検討
  7. SRHR、ジェンダー平等などICPD行動計画を実施するための予算配分を増加する
  8. 人口ボーナスを活用するために、若者特に少女に対する教育、雇用、健康などへの投資
  9. あらゆる差別の無い、平和かつ公正で包括的な誰も取り残さない社会づくり
  10. 正確なデータを入手するためのビッグデータシステムの構築
  11. 若者の健康とウェルビーイングに関する決定プロセスに若者を含める
  12. 人権の確保が難しい非常事態下における基本的人権の確保と、SRHRの保障

   

 

【プログラム】

コミットメント発表だけではなく、多岐にわたる分野を議論する135以上のセッションが行われました。

政府と国際機関にとどまらず、民間企業、NGOや市民団体が参加したセッションの詳細はこちら

 

【プレスリリース】

・ 2019年11月12日 

「妊産婦死亡とジェンダーに基づく暴力に終止符を打つこと、そして、家族計画におけるニーズを満たすことは実現可能であるという新たな調査が発表された」

全文はこちら(日本語)

 

・2019年11月12日

「国際人口開発会議のアジェンダを高めるため、民間セクターによるコミットメント表明」

全文こちら(英語)

 

・2019年11月14日

ナイロビ・サミットは、世界の女性と少女のために明確な道筋を示して閉幕」

全文こちら(英語)

 

*サミットの様子は随時更新していきます。

 

 

今年11月開催、ICPD25周年 ナイロビ・サミットに向けて

 

国際人口開発会議(カイロ会議/ICPD-International Conference on Population and Development)は、1994年、179ヵ国の代表が出席してカイロ、エジプトで開催されました。この会議では179の政府がカイロ行動計画を採択し、人口は数の問題ではなく、1人ひとりの尊厳と生活の質に関する問題である、と合意されました。また、リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康および権利)の推進は、貧困を減らし、人口増加を安定させる一つの手段だということが明確にされました。

 

また、世界が2030年までに達成を目指しているSDGs(持続可能な開発目標)においても、性と生殖に関する健康および権利の推進は欠かせない要素です。

 

カイロ会議から今まで、世界では多くの進化や発展がありました。しかし、未だ数多くの人々が取り残されています。特に「女性」と「若者」という2つのグループ、その中でも貧困やその他の状況によって疎外された人々には、子どもの数や出産の間隔を自由に選択できる能力を含め、リプロダクティブ・ヘルス/ライツを享受できないという点で、不平等な立場に置かれています。詳しくはこちら

 

今年ICPDは25周年を迎え、11月12日~14日には、ケニア政府とデンマーク政府と国連人口基金が共催で、ナイロビ・サミットが行われます。このサミットでは、

3つのゼロ

①家族計画サービスへのアクセスが満たされない状況をZEROにします

②妊娠・出産による妊産婦の死亡をZEROにします

③児童婚などの有害な慣習とジェンダーに基づく暴力をZEROにします

に焦点を充て、議論が進められます。

 

このサミットを通じて、世界が、25年前の課題を再認識し新たな取り組みを実施するきっかけとなることを目指します。また、政府や関係機関が自発的に各々の任務を遂行する新たな出発点となることが期待されています。

 

ナイロビ・サミットの詳細はこちら(英文)

 

This Is Why I Marchキャンペーンについて

本キャンペーンは、性と生殖に関する健康および権利に対する人々の関心を高めるとともに、ナイロビ・サミットに集まる世界のリーダーたちに向けて、私たちの声を届けることを目標にしています。

国連人口基金は、ナイロビ・サミットに直接参加する、しないに関係なく、皆さん一人一人に大切な役目があると考えています。 Why you march―あなたは何のために前進するのか―あなた自身の言葉で、世界に発信しましょう!

 

◆キャンペーン参加方法

  1. あなたが「何のために前進するのか」を表現した写真または動画を撮る。
  2. お好きなSNS(Twitter、Facebook、Instagram)にアップロードする。
  3. 撮影写真又は動画のキャプションに、” I March For ”「ご自身のメッセージ」”This is why I march” と記載する。
  4. 次の4つのハッシュタグをつける。 #IMarchFor #NairobiSummit #ICPD25 #UNFPA
  5. 友人を3人タグ付けする。
  6. 投稿完了。  

  1. TICAD7ブース実施報告ページ
  2. https://www.nairobisummiticpd.org/IMarchFor
  3. その他SNSで#IMarchForで検索してみてください。
 

これまでのICPDの歩み

出典:国連人口基金 東京事務所

国際人口開発会議(ICPD

出典:国連人口基金 東京事務所

 

1994年に開催された、国際人口開発会は、女性の権利の歴史においても、人口と開発分野における歴史においても、画期的な会議といえます。人口は数の問題ではなく、一人ひとりの尊厳に関する問題であることが合意されたのです。この人権に基づくアプローチは、すべての人に価値があるという考え方を基本としています。また女性のエンパワーメンはそれ自体が目的なのではなく、貧困を減らし、人口増加を安定させる一つの手段だということが明確にされました。SRH/RRは、女性のエンパワーメンの基礎となるのです。

会議では、人口統計学的な目標を達成することより、個人のニーズや権利に重点をおいた20カ年計画である「行動計画」が、参加179カ国により採択されました。具体的な目標としては、2015年までに誰もが初等教育を受け、乳幼児と妊産婦死亡を減らし、家族計助産や産婦人科医の立会いの下で行われる出産、HIVを含む性感染の予防などの、SRH関連のケアを必要とする人すべてに提供すること、などが含まれました。この「行動計画」は、その後5年に一度行われるレビューにおいて再確認、議論されてきています。

以下では、ICPDに関する資料をご紹介します。

 

国際人口開発会議が開催されるまでの背景 – 1974年から1994ICPD開催まで

 

 

1947年にルーマニアのブカレストで開催された世界人口会議(World Population Conference)で、すべての個人とカップルは、計画に関する権利を持つことが確認されました。

国連国際人口会議20年の軌跡~ブカレストからカイロまで~

 

1984年にメキシコのメキシコ・シティで開催された国際人口会議(International Conference on Population)で、1974年のブカレストにおける世界人口会議の多くの合意事項を再検討した上で承認し、「世界人口行動計画」を補強、修正しました。

国際人口会議「メキシコ会議」

 

●国際人口開発会議(ICPD)に先がけ、各国の国会議員が集まり人口問題について議論する、国際人口開発議員会議(ICPPD)が1994年より開催されてきました。ICPPDICPDの準備会議として、各国代表が性と生殖に関する権利と家族計画についての有効な政策を協議する意味のあるものとなりました。

1994年国際人口・開発議員会議 (ICPPD) 議事録

国際人口・開発議員会議特集

 

 

1994年カイロ会議から2019年ナイロビサミットまでの軌跡

 

 

1994ICPDでは、人口問題に関する各国の合意に基づいて「行動計画」が採択されました。

Programme of Action of the International Conference on Population and Development 20th Anniversary Edition (英語版)

国際人口・開発会議行動計画要旨 (日本語版 監修:黒田俊夫)

 

1999 ICPD5

オランダのハーグで「行動計画」の実施の検証と評価のための国際議員フォーラム(IFP)が開催されました。

ICPD評価のための国際議員フォーラム

 

 

2004 ICPD10

1994ICPDにおいて採択された「行動計画」の実施状況を確認し、次の10年に向けての今後の努力のあり方について議論されました。

国際人口開発会議10周年

 

2009 ICPD15

「行動計画」の15年間での成果と、今後に向けての課題が確認されました。

ICPD15:これからなすべきこと

 

2014 ICPD20

各国政府は「行動計画」の公約を再確認し、176カ国からデータが集められ、「行動計画」において各国が達成した成果と残された課題を分析したグローバルリポートが発表されました。さらにICPD行動計画の包括的レビューのための調整を目的として、国連人口基金は「ICPD beyond 2014」事務局を設置しました。当事務局では、ICPD行動計画の包括的レビューのための調整をし、レビューの主要な結果は、国連事務総長からの行動のための提言とともに、特別報告書としてICPD20で発表されました。

Framework of Actions for the follow-up to the Programme of Action of the International Conference on Population and Development(英語)

ICPD - ICPD Beyond 2014 review process(英語)

 

2019ICPD25(ナイロビサミット)

1974年のブカレスト会議から45年目、ICPDカイロ会議とICPPD発足から25年目の記念すべき年となります。ICPD25の記念会議として、1113日から15日までの2日間、ナイロビサミットが開催されます。

ICPDICPPD25周年特集前編

ICPDICPPD25周年特集後編

 

出典:上記の掲載資料のうち、特に記載のないものは「公益財団法人アジア人口・開発協会」によるものです。

 

ICPD+MDGS(ミレニアム開発目標)についてはこちら