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日本政府と国連人口基金(UNFPA)ジンバブエ事務所は、救急車、医療機器、その他の関連物資など100万米ドル以上の支援物資をジンバブエ政府に引き渡しました。

 

ジンバブエは現在、度重なる干ばつや深刻な経済状況など、複数の要因によって人道的危機に陥っています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、脆弱な保健システム、特に妊産婦の健康にさらなる負担をかけ、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成に向けた歩を後退させています。2019年時点で、同国の妊産婦死亡率は10万人出生あたり462人と非常に高く、この数字はコロナ禍で上昇しているとみられています。

 

日本政府による支援を受け、ジンバブエ保健省がUNFPAと協力し実施している「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のホットスポットにおける包括的緊急産科・新生児ケアの強化プログラム」では、調達された物資を活用し、医療従事者の能力向上を図り、質の高い妊産婦保健サービスを提供することで、妊産婦の命を救うことを目的としています。

 

この支援は、コロナ禍で妊産婦保健サービスの改善、特に首都ハラレとブラワヨでのリファレンスシステムの強化と分娩補助ケアを継続的にサポートします。

 

ジョン・マングウィロ保健・育児副大臣は、「ジンバブエ政府は、新型コロナウイルス感染症のホットスポットであるハラレとブラワヨにおける緊急産科・新生児ケア(EmONC)の強化を支援するために、130万米ドルの日本政府プログラムを実施するUNFPAに感謝します。また、救急車8台、麻酔器、手術台、分娩台、ICUベッド、輸液ポンプ、診察灯、アンチショックウェア、臍帯クランプ、尿蛋白テストストリップ、胎児心臓モニター、助産キットなど、貴重な機材・物資の供与をいただきありがとうございました。寄贈された救急車は、妊産婦のためのリファレンスシステムを強化するのに役立てます」と述べました。

 

在ジンバブエ日本大使館の田中聡志・特命全権大使は、「日本政府の貢献がこのプロジェクトを通じて、人道的危機の中で母親と新生児の命を守り、将来の危機に耐えられるような保健システムの強化、また妊産婦死亡の削減に貢献することを期待しています」と話しました。

 

ブラワヨでは年間15,000件、ハラレでは年間45,000件の分娩が行われていると推定されていますが、このうち約9,000人(15%)の女性が産科の合併症を持ち、緊急産科医療サービスの利用を必要としています。本プロジェクトの実施により、推定6万人の女性が支援を受けられることになります。

 

UNFPAジンバブエ事務所代表のエスター・ムイアは、「日本政府からの支援に感謝を申し上げます。この支援は、命を授かった女性たちの生と死を分けるものであることは間違いありません。しかし、母親とその赤ちゃんの命を救うために、まだまだやるべきことはたくさんあります。私たちUNFPAは同じ価値を持つパートナーであるジンバブエ政府や日本政府と協力し、妊産婦死亡を確実に削減していく強い意志があります」と述べました。

 

 

 

 

本文は当該記事を、駐日事務所にて翻訳・編集したものです。