現在地

過去20年間、世界的に妊産婦の死亡は半減してきています。同時に、専門技能者が立ち会う出産は15パーセント増加しており、3人に2人は専門家の立ち会いのもとで出産していることになります。ミレニアム開発目標(MDGs )の期限まで600日となった今、助産師や助産術を持つ専門家への教育に、費用対効果の高い対策をさらに規模を広げて行い、一致団結して、努力する必要があります。このような投資は、妊産婦の健康を改善し、MDGsの中で最も遅れている第5目標を達成するための取り組みを加速させるために不可欠です。

質の高い保健医療へのアクセスは、基本的人権のひとつです。しかし今もなお、およそ4,000万人近くの女性が専門家の立ち会いなしで出産しており、このような出産は母体と新生児の双方の死亡や障害のリスクを高めます。世界は今、これまで以上に助産師を必要としています。助産師に投資することにより、十分な知識を持ったヘルスワーカーと適切な施設の不足のために命を落としている、年間29万人近くの妊産婦と300万近くの新生児を救うことができるのです。さらに助産師は、出産に立ち会うだけでなく、産前産後のケア、家族計画など、命に関わる性と生殖に関する情報とサービスも提供してくれます。

助産師に関する調査の最新情報は、2014年6月にプラハで行われる助産師国際連盟大会で、第2回目の「世界助産白書」として発表されることになっています。この白書は、国連人口基金(UNFPA)、国際助産師連盟(ICM)、世界保健機関(WHO)他、いくつかのパートナーの協力により作成され、世界中の妊産婦、新生児、幼児のうち95%以上にあたる73カ国の最新データが明らかになります。このデータにより、助産師に関する分野における基礎となる証拠を改良し、妊産婦と新生児の保健サービスを強化し、妊娠中の女性と赤ちゃんに質の高い助産サービスの提供を促進するために、母子保健分野の負担が大きな国々のリーダーシップと行動を牽引するのに役立つでしょう。

この国際助産師の日に、国連人口基金と国際助産師連盟は、多くの場合困難な状況で、さらに資源も限られた中で、世界中の女性と少女に母子保健ケアを提供するために、助産婦としての職務を超えて献身的に仕事を行う全ての助産師に敬意を表します。

私たちは、すべての妊娠が安全であり、全ての人が性と生殖に関するサービスを享受できることを保障するという目標に向かって邁進し、世界的に助産師を支援することを再び堅く誓います。

事務局長からのメッセージ(原文)はこちら
世界助産白書 2014はこちら

 

 

 

 
 

健康で安全な妊娠・出産への鍵を握る助産師
よく訓練され、設備が整い、十分に支援され、権限を与えられた助産師は、妊産婦と新生児死亡の約3分の2を防ぐことができます。

写真家Jhpiegoが様々な国で撮影した写真で作成されたこのスライドショーは、助産師の多様な役割を描いています。出産の立ち会いをするだけでなく、家族計画のカウンセリングやサービス、中絶後のケア、妊娠中のマラリア治療、HIVの母子感染予防などの包括的なセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスに関するサービスを提供しているのです。