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困難が続くアフガニスタンで出産を支え続ける助産師たち

2021年9月28日ニューヨーク/アフガニスタン:妊産婦死亡率が世界で最も高い国の一つ、アフガニスタン。昨今の人道危機が起こる以前から、妊婦たちは悲惨な状況下に置かれていました。

 

国連人口基金(UNFPA)事務局長のナタリア・カネムは、国連本部で開催されたハイレベル会合で、「人道上の大惨事が迫っています」と訴えました。40年にわたる紛争、慢性的な貧困、新型コロナウイルス感染症のパンデミック、昨今の抗争の激化、政治的な不確実性により、同国の保健システムは破壊されています。

 

「国内での抗争が急増したことで、医療施設や医療従事者にも(引き続き)深刻な影響が出ており、増加する医療ニーズに対応するためのリソースがさらに不足している」と国連人道問題調整事務所(UN OCHA)は報告しています。

 

このような困難な状況でも、アフガニスタン全土の助産師たちは妊産婦たちの出産を日々支え続けており、支援を必要とする女性や少女たちに、命をつなぐための重要な処置を提供しています。

 


UNFPAの現場チームは主に女性で構成されています。妊産婦支援サービスを
継続するためには、女性の自由な移動が不可欠です。
© UNFPA AfghanistanCaption

 

UNFPAアフガニスタン事務所代表のアレクサンダー・ボディロザは、「UNFPAは、アフガニスタンの女性と少女のために支援を続けることを約束します」と述べました。

 

困難な状況下でも途切れることのない出産支援サービス

 

UNFPAによる妊産婦へのサービスが継続できている主な理由は、この事業が地域コミュニティの中で、住人らの支援を受けて実施されているということです。

 

「コミュニティを基盤とした強力なアプローチにより、UNFPAは現場での活動を継続し、すべての人が命を守るためにリプロダクティブ・ヘルス・サービス、物資、医薬品にアクセスできるよう取り組み続けることが可能になっています。これは、妊産婦死亡率を減らし、最も弱い立場にある人々に必要な医療サービスを提供するために不可欠です」(UNFPAアフガニスタン事務所代表 アレクサンダー・ボディロザ)

 

支援例の一つであるUNFPAの助産師ヘルプラインは、複雑な分娩や危険な妊娠などに直面している助産師を、遠隔地から継続的にサポートしています。このヘルプラインには現在、熟練の助産師2名と産婦人科医2名が従事しており、妊娠・出産に関するアドバイスや病院への紹介状を提供したり、助産師や看護師などの出産介助者が複雑な処置を行う際に、手順を一つ一つ指導したりしています。

 

UNFPAはまた、3つの巡回医療チームの運営を継続しています。これらのチームは現在、国内避難民の多い地域に展開しており、物資やサービスへのアクセスが乏しい人々のリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、また、母子保健、新生児ケア、そして子どもと若者たちの健康に関するニーズに応えています。

 


助産師は、産前産後の女性と新生児の命を守る保健サービスを提供しています。
© UNFPA Afghanistan

 

遠隔地で妊産婦への保健サービスを提供するUNFPAのファミリー・ヘルス・ハウス(基本的な医療サービスを提供する施設)は、2021年上半期だけで9,500件以上の安全な出産をサポートし、現在も引き続き運営されています。

 

女性による女性の支援

 

これらの取り組みは、状況が許す範囲で規模を拡大してきています。このプログラムに不可欠なのは、女性の貢献と参加です。

 

実際に、UNFPAの現場のチームは、ほとんどが女性の専門家で構成されています。UNFPAの命をつなぐ活動を継続していくためには、彼女たちが自由に移動できる必要があります。

 

「私たちは、命を守り、社会のあらゆる場面に平等に参加する権利を含め、女性と少女の基本的な権利と自由を守るために、強い意志とともに力を合わせて立ち向かわなければなりません」(UNFPA事務局長 ナタリア・カネム)

 

UNFPAアフガニスタン事務所のボディロザは「女性のリプロダクティブ・ライツに関する過去20年間の成果を維持できるかどうかは、この国の将来の中核に関わる問題です」と、早急な対策を求めています。

 

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