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10歳から19歳までの若者が10億人を超えた――史上最大の若い世代の出現である。「こうした若者は、知識、多様な選択および機会を必要としている。私たちは、若い世代が健康で生産的な生活を享受できるよう、若者の声に耳を傾け、その関心を理解しなければならない」、と7月11日の世界人口デーに際し、国連人口基金(UNFPA)事務局長のトラヤ・オベイド氏が述べた。

オベイド氏は以下のように続ける。「適切な教育とヘルス・ケアへのアクセスが欠如していることで、多くの若者たちが悲惨な状況に置かれている。毎日7万人を超える10代の少女たちが結婚し、4万人近くが子どもを産んでいる。こうした若い女性たちは、教育を完全に修了することができず、機会を制限されるとともに、深刻な健康上のリスクを課されるのである。」

オベイド氏はさらに、「中等教育を修了し、結婚と出産の時期を延期できるよう少女たちを支援することで、病弱、無学、貧困の悪循環を断ち切る手助けが可能となる。また、性的暴力、搾取や虐待という重要な問題に取り組むために、さらに強力な努力が必要とされている」と述べた。HIV新規感染者の半数は若者であり、毎日6千人の男女が新たに感染している。このことを踏まえて、オベイド氏は、若者の健康擁護を目的とするさらに多くの教育、情報、サービスの提供を呼びかけている。さらに、指導者たちに対し、「若い人々の関心に耳を傾け、若者の福祉と参加を支援し、彼・彼女らの人権を擁護する法律や政策、プログラムを導入するよう」求めた。

別途、声明を発表した国連事務総長のコフィー・アナン氏は、「若者による決定は、我々の世界と次世代の環境を方向づける」と述べ、「若者が必要とする当然の健康、情報、各種サービスを享受する権利」について、理解を促進するよう要請した。

今年度の世界人口デーは、世界中で様々なイベントが開催される。また、その日に合わせて、国連人口基金から『人口とリプロダクティブ・ヘルスに関するカントリー・プロファイル ―2003年度の政策開発とその指数―』(Country Profiles for Population and Reproductive Health: Policy Development and Indicators 2003)が発表される予定である。この報告書は、初の総合的な人口関連データ・コレクションであり、171の国と地域に関する主要な人口学的・社会経済的指標を収録している。更に、各国の人口およびリプロダクティブ・ヘルスに関する政策と、妊産婦死亡率の低下など母子保健領域の向上についての説明もある。