ハイチ、ポルトープランス
国連人口基金(UNFPA)の緊急医療物資が空輸によりハイチの首都、ポルトープランスへ届けられた。この支援物資には、安全な出産のための医薬品や器具、レイプや性感染症の治療用具が含まれており、これらは、数週間も続く内紛によって破壊・略奪されたハイチの保健医療体制や増加している性的暴力に対応するため緊急に必要となったものである。
25日に空輸で到着した支援物資は、数週間に渡る内紛下で略奪された緊急産科器具や診療所・病院の機材を含む。国連人口基金は国連児童基金(UNICEF)と全米保健機構(Pan American Health Organization・PAHO)と共に、支援物資の配布に当たる予定。紛争が勃発した当初からこの3機関は妊産婦死亡を最小限に留めるため協力し、支援に当たってきた。
また、国連人口基金は性的暴力の被害者に対する医薬品やサービス、そして性感染症の予防及び治療の提供に焦点を当てている。
国連人口基金ハイチ代表のヘルナンド・クラヴィヨ氏(Hernando Clavijo)によると、性的暴力は女性に対し身体的・精神的トラウマを負わせるだけではなく、ハイチのHIV/AIDSの感染率を高める危険性があるため、深刻な問題となっている。ハイチでは人口の4.5%がHIV/AIDSに感染しており、これは南北アメリカの中で最も高い値である。
国連人口基金、UNICEFとPAHOは、主に性的暴力の被害にあった女性が保健医療サービスを利用するよう、共同で『情報交換戦略』(a joint communications strategy)を展開している。HIV予防において、国連人口基金は在庫保有分のコンドームを配布し、今後の供給を満たすよう補給も行う。
国連人口基金は3月9日に発表された国連機関の復旧支援計画(Flash Appeal)[1]の保健医療分野を担当している。UNAIDSと国連人口基金は、この先6ヶ月の緊急リプロダクティブヘルス・ニーズを満たすため、ドナーに対し240万ドルを要請している。