女性は、家族と地域社会において、欠かせない存在です。非常事態には、そうした女性たちの役割は、より重要なものとなります。しかし、女性特有の強さと弱さは、緊急人道支援の際のあわただしさの中では見落とされがちです。 本書では、女性のニーズが全ての人道支援計画に盛り込まれることを保障するために、国連人口基金(UNFPA)がパートナーと行っている活動についての説明と、緊急時に忘れられがちなリプロダクティブ・ヘルスについて扱っています。
【まえがき】
“女性は家族と地域社会を支える欠かせない存在”
世界中で、女性は地域社会における重要な社会的役割を担っています。非常事態の際、女性は、自らの貧困・栄養不良・性的暴力および性的搾取・性感染症・望まない妊娠・単独出産などの弱さを抱えながらも、他人へのケアと安全性を提供するために、大きな障害を乗り越えることができます。
私は、アフリカの角を襲った飢饉の際、ケニア北部で、三つ子を妊娠したHawa Aliに出会いました。栄養失調を患っていた27歳のHawaは、4ヶ月間、UNFPAの支援による妊産婦のための施設にいました。この施設のおかげで、彼女は、安全に出産し、出産後の必要なケアを受けることができました。
女性をターゲットとした支援は、家族および地域社会全体の健康・安全・福祉を保障するための、最善の方法のひとつです。女性や少女のニーズを人道的な計画に盛り込むために、UNFPAがパートナーとともに最前線で働いているからです。
家族および地域社会は、Hawaのような女性によって支えられています。全ての段階において、彼女たちを支援することが、私たちの義務なのです。
ババトゥンデ・オショティメイン UNFPA事務局長