国連人口基金(UNFPA)エチオピア事務所は、伊藤忠商事株式会社と女性と少女のエンパワーメントを目指し、パートナーシップ契約を締結しました。伊藤忠商事は、売上金の一部をUNFPAに寄付し、生理の健康と衛生、生計向上支援に貢献します。さらに、高品質の再利用可能なナプキンと吸水型生理用ショーツの生産技術支援を提供します。
伊藤忠商事と連携して実施される本プロジェクトは、再利用可能なナプキンや吸水型生理用ショーツの縫製技術とビジネススキルの指導を中心とした生計向上支援活動として実施し、女性と少女のエンパワーメントを目標としています。また、コミュニティが主体となり、生理の健康、衛生、家族計画、性と生殖に関する健康・権利に対する意識を向上することにも貢献します。さらにこのプロジェクトは、ピア教育者に必要な知識とスキルを提供することで、健康に関する情報を効果的に普及させるとともに、裁縫技術のトレーニングセッションを通じてコミュニティのエンパワーメントを促進しています。
在エチオピア日本国大使館の柴田裕憲特命全権大使は、署名式で「日本政府にとって、開発協力における女性のエンパワーメントは、最も優先度の高い課題のひとつです。女性のエンパワーメント実現のためには、政府、国際機関、民間企業の連携が必須です。本プロジェクトが、ひとつの共通目標に向かって、異なる分野の関係者が連携して取り組むモデルケースとなることを強く願います」と述べました。
伊藤忠商事株式会社アディスアベバ事務所長の信田阿芸子氏は、「伊藤忠商事は、生理の健康に関する教育と再利用可能なナプキンや吸水型生理用ショーツの縫製技術指導を通して、エチオピアにおける生理の貧困を改善することに貢献します。国連人口基金と連携し、縫製技術の普及を行うことにより女性の生計向上を図りながら、生理の健康と衛生に関する知識の普及を目指します」と述べました。
生理の健康と衛生は、基本的な権利でありながら、女性と少女のウェルビーイングという観点からは、未だ世界的に軽視されがちです。生理の健康が維持できないことは、教育を受ける機会やコミュニティ活動への参加や安全、心理社会的健康、安定した収入を得ることの弊害となり得ます。UNFPAエチオピア事務所代表のコフィー・コウアメは、「伊藤忠商事との革新的な連携は、女性と少女の生理の健康、衛生、生計を向上することで、彼女らの生涯を変えることに大きく貢献します。本プロジェクトには、若者の積極的な参加のもと、繰り返し使用可能な生理用品製造ビジネスが拡大するきっかけとなることが期待されています」と述べました。
伊藤忠商事とのパートナーシップは、UNFPAがビジョンとする、若者が自らのウェルビーイングを守り、意思決定する力を持つ世界を作り上げるために、大変重要です。また、包括的な性と生殖に関する健康サービスの提供、青年期の若者が性と生殖に関する健康についての選択をする能力の向上に貢献します。
今回の式典には、エチオピア政府関係者、国連常駐調整官兼人道支援調整官、市民団体代表者、日本大使館の方々が出席しました。