ニューヨーク、2024年12月5日 —国連人口基金(UNFPA)は本日、国際社会に対して2025年の活動に対する支援のアピールを開始しました。危機に直面する57か国で、4500万人以上の女性、少女、若者たちにリプロダクティブ・ヘルスサービスと、ジェンダーに基づく暴力(GBV)防止のための重要なプログラムを提供するために、14億ドルが必要になるとアピールしています。この額は、2025年には推定1100万人の妊婦が緊急支援を必要とするという予測に基づいています。
2024年、世界では1億2260万人が避難を余儀なくされ、そのうちの半数を女性と少女が占めました。自然災害や気候変動による衝撃は、彼女たちにとって壊滅的な結果をもたらします。妊娠や出産のリスクが生命を脅かし、レイプを含むジェンダーに基づく暴力の事例が急増するからです。さらに、危機に対するニーズが急増する中、2024年には十分な資金が確保できず34の危機的状況において75%もの深刻な資金不足が生じました。この不足により、困難な決断を迫られ、何百万人もの女性や少女が、基本的なサービスや支援を受けられず、命を脅かされたり、時には命を落としたりするという結果を招くことになりました。
UNFPA事務局長のナタリア・カネムは、「紛争や災害では、女性や少女が、生命や健康、そして基本的なサービスへのアクセスを脅かされるという深刻なリスクに直面しています」と述べました。「今回の資金援助の呼びかけにより、私たちは国際社会に対して、危機に巻き込まれた女性や少女の健康と尊厳のために投資し、恐怖や暴力のない未来を築くための支援を行うよう呼びかけています。」
前例がないほど深刻な、基本的なサービスへのアクセス欠如と資金不足にもかかわらず、2024年のUNFPAの人道支援活動は、59か国の紛争の影響を受けた国々において、1000万人以上の人々にリプロダクティブ・ヘルスサービスを提供し、360万人を対象にジェンダーに基づく暴力の防止と対応の支援をしました。またUNFPAは、数千人の助産師や医療チームの人道支援地域への派遣、救命医療の提供を目的とした3500以上の医療施設の整備、そして女性や少女が避難したり、エンパワーメントのための支援を受けたりするための1600以上のセーフ・スペースの設置を行いました。
UNFPA人道支援局長の新垣尚子は、「私たちは最前線で、資金不足による壊滅的な影響を日々目の当たりにしています」と、述べました。「世界で最も顧みられない危機に直面している女性や少女たちは、想像を絶する苦難に耐えています。しかし、彼女たちのレジリエンスは私たちを奮い立たせ、前に進む力を与えてくれます。今回の支援要請は、いかに遠隔地にいても、資金不足であっても、誰一人取り残さないという目標を実現するためのものです。」
UNFPAは2025年、主に、地域および国家レベルでの対応の強化と、緊急事態への備えの強化に取り組みます。2024年には、人道支援資金の35%が地域および女性主導の組織に提供されましたが、UNFPAは2025年までにこの割合を43%にまで引き上げる計画です。さらに、世界各地の拠点に重要な物資をあらかじめ配備することで早期対応能力を強化し、危機が発生した際には迅速かつ効果的な行動を確保します。
事務局長は、「この支援要請を通じて、私たちは、命を産み出す過程で、女性が命を落とすことなく、どんなに悲惨な状況にあっても、すべての女性と少女が危険から逃れて安全に暮らせるように、共に実現できるのです」と述べています。
Humanitarian Action Overviw UNFPA's Global Appeal 2025についての詳細は以下のサイトからご覧いただけます。
・ウェブページ(英語)
・動画(英語)