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人口の増加は世界的に増大する水危機の誘因の一つである。現在の傾向が続けば、2025年には世界の人口の3分の2が中程度から重度の水不足に直面することになる。家族計画を含むリプロダクティブ・ヘルス(RH)への投資により、人口増加に歯止めをかけ、水危機の問題の減少に導くことが可能になると、国連人口基金はその最新のレポートで報じている。

『地球の人口と水』と題されたこのレポートは、京都で開催中の第3回世界水フォーラムにおいて発表された。今週1万人以上の代表者が参加して水危機の問題に取り組み、安全な飲料水へのアクセスを持たない14億の人々を救う道を模索する。

報告は、水汚染は子どもの病気、死亡と共に流産をも引き起こすとしている。とりわけ農村地域や貧しい社会においては、安全な水へのアクセスと浄水設備がないために、女性は毎日公共の水道あるいは川からの水汲みを余儀なくさせられている。彼女達やその子ども達はそのことでマラリアや水を媒介とする疾病にさらされ、ひいてはリプロダクティブ・ヘルスにも悪影響を及ぼしている。

「水は人々と同様にかけがえのない資源である」と、トラヤ・オベイド 国連人口基金事務局長は語る。「水資源を守り、衛生的な水へのアクセスの拡大のために私達は、ありとあらゆる手段をとる必要がある。それが女性の健康改善と母子の死亡率減少につながる」

世界の人口は、開発途上国を中心に毎年7,700万人ずつ増加している。現在の水の消費レベルが続くと、2025年には、世界の人口79億のうち、50億人が飲料、調理、そして衛生に必要な最低の水すら確保が困難、あるいは不可能な地域に居住することになる。これから2025年までの水消費の総量は40%増加するものと予想される。

リプロダクティブ・ヘルスと家族計画を含む健康管理と教育の推進により、水不足の地域に住む女性にとって、生活向上が可能となる。このことがひいては人口増加の減速と水供給の問題解決につながる。