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女性と女児の安全は家・路上・職場・学校で確保されなければならない、と国連人口基金(UNFPA)事務局長のトラヤ・オベイド氏は女性に対する暴力撤廃の国際デーに際して表明した。多すぎる人数の女性が恐怖に生き、数えきれない人数が命を落としている、とオベイド事務局長は述べた。

国連人口基金はジェンダーに基づく暴力をなくすように主張している。「暴力が続く限り、平等・開発・平和にむけて着実に進歩しているということは言えないのです」と事務局長は話した。「レイプ、妻への暴力、名誉という名の殺人を、あとどれだけの女性が耐えなければならないのでしょうか。また、どれだけの女性が酸により傷害を負い、ガソリンをかけられ焼かれなければならないのでしょうか。犯罪者が刑罰を免れるのはいつまで続くのでしょうか」とオベイド事務局長は各人に考えてもらうよう促した。

大規模で組織的な女性に対する人権侵害は、大規模で組織的な対応を必要である、と事務局長は話す。全ての政府に対して介入の意気込みを見直するようオベイド氏は要請し、更に、宗教や地方のリーダー、家族や地域社会に対しては、ジェンダーに基づく暴力に立ち向かうべきである、と主張した。

オベイド氏は、このような犯罪を撲滅させるための活動に従事してきた世界中の人々の成果を認めているが、まだ多くの課題が残されていると強調した。また、「警察と軍人は、女性の権利を守るように訓練されなければなりません」とオベイド氏は話した。「女性と女児に対する暴力を罰するような法律が強化され、履行される必要があります。そして、生存者に対して住居・カウンセリング・医療ケアを提供するサービスも緊急に構築されなければなりません。」

国連人口基金にとって、女性と女児に対する暴力を撲滅することは優先すべきことである。東ティモールでは、演劇団体を通じて国連人口基金は地域社会に強いメッセージを送った。国連人口基金は家庭内暴力(ドメスティック・バイオレンス)に対応出来るよう警察官の訓練も行っている。更に国連人口基金は、政府・地域・教会・女性団体からの代表と連携している。

11月25日の女性に対する暴力撤廃の国際デーに際して、国連人口基金は『女性、戦争、健康』と題した3分間の映像をウェブ上にて公開した。9ヶ国語に訳されたこの映像は、戦争下や難民状態におかれている女性の健康を守る必要性を強調している。コソボからコンゴまで、戦争の武器としてレイプが使用されることは、驚くほど広がっている。国連人口基金はパートナーと共に、性に基づく暴力を最小限に留め、被害者には治療を提供し、妊産婦の命を救う医療器具・医療支援を供給し、HIV/エイズの蔓延を防ぐために活動を展開している。

映像は以下のURLで見ることができる。