Go Back Go Back
Go Back Go Back
Go Back Go Back
Go Back Go Back

5月23日 産科フィスチュラ撲滅国際デー

5月23日 産科フィスチュラ撲滅国際デー

ニュース

5月23日 産科フィスチュラ撲滅国際デー

calendar_today 23 5月 2022

UNFPAの支援を受ける医療機関で産科フィスチュラの治療を受けたベアトリス・セバスティアンさん。 © UNFPA Mozambique
UNFPAの支援を受ける医療機関で産科フィスチュラの治療を受けたベアトリス・セバスティアンさん。 © UNFPA Mozambique
私たちは自分が知らないことについて無視しがちです。産科フィスチュラ(産科ろう孔)も、人々に知られていないものの一つです。産科フィスチュラは、妊産婦にとっては出産時に発生する破壊的な損傷であり、胎児にとって致命的(死産に至るケースが90%)です。しかし、勇気づけられる事実として、産科フィスチュラは治療可能なだけでなく予防も可能であることが挙げられます。
産科フィスチュラは、女性が長時間に渡る遷延・閉塞性分娩(難産)の際に適切な医療を受けられない場合に、産道が損傷し孔(穴)ができる疾病です。その結果、女性はしばしば慢性的失禁や便失禁に悩まされることがあります。治療せずに放置すると、感染症やその他の病気、不妊症の原因となります。また、この疾病を患った女性は、夫や家族から拒絶され、コミュニティーからも疎外され、雇用機会も失うことになり、スティグマと孤立の中で悲惨な生活を強いられることが多々あります。それにより、メンタルヘルスの問題や貧困の深刻化にも悩まされます。
産科フィスチュラは、豊かな国では見られなくなった病気ですが、妊産婦のヘルスケアが十分ではない貧しい国々では根強く残っており、推定50万人の女性や少女が今なおこのような状況の中で暮らしています。特に、母親になるには十分にからだが成長していない児童婚や意図しない妊娠によって若年妊娠した少女は、脆弱な立場に置かれています。彼女たちは、医療施設までの交通費や助産師のような熟練した出産介助者のサービスを受ける経済的余裕がないために、産科フィスチュラを発症することがあります。
この疾病は、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ケア、避妊、熟練した出産介助者と質の高い緊急産科ケアを享受することが出来れば予防することができるのです。国連人口基金 (UNFPA)は、多くのパートナーとともに「産科フィスチュラ撲滅キャンペーン」を主導し、55か国以上で予防、治療、リハビリテーションの取り組みを実施しています。産科フィスチュラは再建手術で治療可能にも関わらず、多くの女性や少女がその治療について知らなかったり、治療にアクセスできなかったり、あるいは治療費を払えないために治療できずにいます。UNFPAは、上記写真のモザンビークのベアトリス・セバスティアンさんを含め、これまでに12万人以上の外科的修復を支援してきました 。
国連加盟国は、2030年までにフィスチュラを撲滅するという決議を採択しました。そのため、今年のテーマは「今こそフィスチュラを無くそう。質の高いヘルスケアへの投資と、コミュニティをエンパワーしよう!」です。産科フィスチュラは、開発と公衆衛生の問題であると同時に、すべての人に健康と尊厳ある生活を送る権利を認める人権の問題でもあるのです。
 
原文はこちら
 
【関連情報】
産科フィスチュラとは(日本語)こちら
産科フィスチュラとは(英語)こちら