先日太平洋諸国によって採択されたリプロダクティブ・ヘルス用品の確保に関する行動計画は、救命および健康状態の向上にリプロダクティブ・ヘルス用品の供給が重要であると訴えている。国連人口基金の支援を受けつつ策定された行動計画は、太平洋諸国の人々が必要なときにいつでもリプロダクティブ・ヘルス用品を選択・確保・使用することができるように求めている。
クック諸島、フィジー共和国、キリバス共和国、サモア諸島、ソロモン諸島、トンガ王国、ツバル国、バヌアツ共和国の各厚生大臣は、世界保健総会が開催されていたジュネーブで5月20日、この行動計画を承認した。各国厚生大臣はそれぞれの国にリプロダクティブ・ヘルス用品が確保されるよう国連人口基金の支援を求めた。
英連邦事務局と英連邦医療基金(Common Wealth Medical Trust)の連携のもとに作成されたこの行動計画には、太平洋諸国が良質のコンドーム・避妊薬(具)及びリプロダクティブ・ヘルス用品の供給・選択に障害となりうる事由を特定できるよう支援がなされるべきだと記載されている。すべての人々のリプロダクティブ・ヘルス用品へのニーズは、適切な時宜・場所・方法で満たされる必要がある。
太平洋諸国は広い範囲にわたって散らばっており、それらの国々の多くが小さい島々が集まって構成されている国である。行動計画はこれらの国々が直面している多くの地理的制約や課題・自然災害による制約や課題、および特に若年層での低い避妊実行率と十代での妊娠といった問題を考慮に入れたものとなっている。
上記の要因により、太平洋諸国にとっては、リプロダクティブ・ヘルス用品を一括して大量購入し、太平洋諸国の中央に位置している倉庫へ保管しておくことが必要不可欠である。このような施設はすでにフィジー島に建設されており、近いうちにオープンする予定である。同施設により、リプロダクティブ・ヘルス用品が適切な条件下で保存され、各国が適正な価格でかつ迅速に入手できるようになる。
また、この行動計画は、妊産婦の健康やHIVを含む性感染症の予防、及びリプロダクティブ・ヘルス用品購入費を国家予算に組み入れることなども提起している。