国連人口基金(UNFPA)は第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)に参加するリーダー達に対し、妊産婦死亡の削減および女性の権利の推進のための迅速な行動に取り組み、アフリカの貧困削減を加速化させるよう求める。TICAD IVは5月28~30日に横浜で開催される。
国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは、アフリカが貧困から抜け出し、またミレニアム開発目標を達成するためには、国際社会が総力を結集し、女性の命、健康、権利を守り、かつ実現する必要があると警告し、緊急に対応する必要性を訴えた。
「女性への投資は、家族、地域社会、そして国にとって、非常に有益です。なぜなら、女性が健康で、教育を受けられ、彼女たちの社会的な地位と能力が向上してこそ、自分たちの家族や国を貧困の根底から脱却させ、開発の軌道に乗せることができるからです。」
また事務局長は、日本の政府開発援助(ODA)を2012年までに2000億円に倍増するという福田首相の声明を高く評価すると共に、より多くのODAが妊産婦の健康の推進に充てられるよう希望すると述べ、さらに「今回の日本政府の動きは歓迎すべき大きな一歩です。ほかの国々が日本の例に倣って行動をおこすよう求めます」と、コメントした。
TICAD IVは、日本政府と国連機関(国連開発計画、アフリカ特別調整室)および世界銀行との共催で開催され、アフリカ各国政府の元首、国際機関の首脳陣を招聘し、アフリカの経済成長の加速化、人間の安全保障の確立、気候変動問題への取組みを促進するための具体的な対策が議論される。
TICADは5年おきに開催される首脳レベルの国際会議。第4回となる今回の会議では横浜宣言と行動計画が採択されることになっており、その後7月のG8北海道洞爺湖サミットの議題に採り上げられる予定である。
国連人口基金は、TICADを通じた日本のアフリカ支援をより包括的なものとするために、女性や若者の教育とエンパワーメント(個人や組織の能力強化)、およびリプロダクティブ・ヘルス・サービス(性と生殖に関する健康のためのサービス)を誰もが享受できるような取組みに対し、より多くの支援をするよう要請する。
「一方、国連人口基金はパートナーと協働し、妊産婦の健康の改善、リプロダクティブ・ヘルス・サービスの推進、そして女性のエンパワーメントへの取組みを強化して参りましたし、今後も活動の中心に据えていきます。より強力な政治的意思や協力体制、資金援助があれば、確実に女性と女児の社会的地位を向上できます。彼女たちが自らの可能性を最大限に発揮することができれば、アフリカの経済成長と開発の原動力となり、それは彼女たちの家族一人ひとりを助けることができるのです。」
問い合せ先
William A Ryan
横浜、TICAD会議場(5月26日~30日)
日本滞在中の連絡先:090 1620 8365
Eメール:ryanw@unfpa.org
上野 ふよう
国連人口基金東京事務所
電話:03 5467 4684
Eメール:ueno@unfpa.or.jp
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