国連人口基金(UNFPA)は、ミャンマーのエヤワディ、ヤンゴン地域におけるサイクロン被災者、特に女性・少女に対しての緊急人道支援を行うため、300万ドルを要請する。
この要請額は、本日付けで国連が国際社会に向けて発表した緊急合同アピールの一部として算出されている。サイクロンに住まいを追われた何万人もの妊婦が救命援助を緊急に必要としている。国連人口基金は人道支援を行うパートナーと協力し、衛生出産キットなどの緊急リプロダクティブ・ヘルス物資を被災者のために調達している。
サイクロン「ナルギス」のような災害により、出産を控えた妊婦や胎児は突然医療サポートを受けられなくなるため、トラウマ、栄養失調、疾病のために、危険にさらされることになる。サイクロンで甚大な被害をうけたとされる150万人のうち、5人に1人の出産適齢期の女性が妊娠中、うち15%の女性が出産時に合併症を患うと推定されている。
国連と非政府機関が協力し合い、避難民の食糧、飲料水、衛生管理、避難施設、及び健康のニーズの調査を進めている。国連人口基金は、サイクロン被災地援助のための国際的協力体制の一環として、安全な出産に必要な物資を輸送する。例えば、清潔なカミソリ、へその緒を切って縛るための紐、ビニールシート、せっけん、新生児の体温を保持するための毛布が入ったセットなどである。これら一式があるだけで新生児の命が守られ、医療施設に行けずに出産を迎える母親たちの命を脅かす分娩後感染が予防できるとされる。
また、点滴、抗生物質、痛み止め、注射器、無菌手袋、小型消毒機など、合併症を伴う妊産婦のケアをするヘルス・ワーカーが使用する医薬品や器具も輸送される予定だ。
当会議は、第118回列国議会同盟会議の会期中に開催され、世界中から1000人以上の参加者が4月13-18日ケープタウンに集う。両会議では、妊産婦・新生児・子どもの健康への投資を促すための活発な議論がなされ、具体的な活動についての提案がなされることが期待される。
本日の緊急アピールで発表された緊急プロジェクトにおいて、国連人口基金は、主要国連機関や現地・国際的パートナーと共に以下の活動を行うとしている。
●保健省や他の保健機関を支援し、避難民そして受入れ地域でより多くの人々が保健医療サービスを享受できるようにする。
●妊産婦のための出産や緊急産科ケア、安全な血液供給、家族計画などの緊急リプロダクティブ・ヘルス支援を行う。
●避難民の間の性的暴力やジェンダーに基づく暴力の発生の予防および対応策をとる。
●衛生必需品を提供し、避難民となった女性、少女、少年、男性の個人衛生と尊厳を守る。
国連人口基金は、その他にもマーシー・マレーシア(Mercy Malaysia)などのパートナーと協働で活動し、現場で求められている活動に対応している。また、ミャンマー赤十字社と協力し、包括的なサービスが提供できる条件が整うまで、最も基礎的なリプロダクティブ・ヘルスのニーズを満たすサービスを確立するよう取り組んでいる。
問い合わせ先
Omar Gharzeddine
電話:+1 212 297 5028
Eメール:gharzeddine@unfpa.org
William A. Ryan
電話:+66 89 897 6984
Eメール:ryanw@unfpa.org