オランダのアグネス・ヴァン・アルデンヌ(Agnes van Ardenne)開発協力大臣とトラヤ・オベイド国連人口基金(UNFPA)事務局長は、「文化や宗教とリプロダクティブ/セクシュアル・ヘルス/ライツの関係にまつわる沈黙とタブーを破く」と誓い、「この重要な問題に対して恒常的な対話を始める」ことを約束して、当地で行われた国際会議「カイロ会議とその後:リプロダクティブヘルスと文化」を締め括った。
3月8日の国際女性の日(International Women’s Day)を記念してオランダ政府と国連人口基金共催で開かれたこの会議には、世界中から100人以上の専門家が参加した。1994年にカイロにて行われた国際人口開発会議(ICPD)から10年が経ち、その間、進歩は見られたものの、依然として取り組まなければならない課題が多いという点に参加者の合意がみられた。特に、このアムステルダム会議の参加者が強い関心を寄せたテーマは、文化とリプロダクティブ・ライツの相関性についてであった。
3日間に渡るこの会議の開会に際して、オベイドは「我々の考え方、つまり言説を変えなければならない。議論の焦点を文化の『制約』面にばかり当てるのではなく、変化をもたらし得る文化の『有望な』側面(positive powers)を発見すること」が必要であると強調した。また、この会議が「真に勇敢、率直、正直、そして多分に建設的な対話」の進展ための第一歩となることを望むと付け加えた。このような対話を促進するためにオランダ政府は、多様な意見や成功事例を共有できる常設フォーラムの提供をめざしてオンラインネットワークを設立するとアルデンヌ氏は話した。
アルデンヌ氏とオベイドにより共同発表された最終声明の中で、両氏は各国政府に対し「リプロダクティブ/セクシュアル・ヘルス/ライツとHIV/エイズの蔓延予防に取り組むよう、政治的・財政的コミットメントを倍増すること」、男女ともに「より多くの人が一刻も早く質の高い基礎教育にアクセスできるよう保障すること」、そして「ジェンダーに基づく暴力を撲滅すること」を要請した。
「いかなる文化においても女性性器切除(FGC)など女性と女児の人権と尊厳を否定するいかなる暴力も認めてはならない。」と二人は強調し、「若者には性教育やリプロダクティブ・ヘルス・サービスを含む情報を得る権利がある」ことをこの声明の中で改めて確認した。
この両リーダーは「リプロダクティブ/セクシュアル・ヘルス/ライツは全ての人の問題である」とし、「従って、我々はこれらの重要なグローバル課題に取り組むためのリーダーシップを確立し強化できるよう、宗教的・政治的指導者、伝統的指導者、医療従事者、企業、市民社会などとの包括的連携をさらに拡大していきたい」と結論付けた。