国連人口賞審査委員会の議長であるケニア共和国大使ジュディス・バヘムカ氏が、今年世界各国で推薦された個人と団体から2人の受賞者を選定した。 審査委員会は国連加盟国10カ国の代表で構成され、国連人口基金は事務局を務めている。両受賞者には、7月の国連本部で開催される授賞式にて、表彰状、金のメダル、賞金が授与される。
個人部門での授賞となるメルセデス・コンセプション氏は、国際人口統計学と、家族計画の分野で実績があり、フィリピンにおいて、1985年から国際人口学連合の名誉会長を務め、また、米国人口調査局、東京にある国連大学の諮問委員会のメンバーとして、活躍している。コンセプション氏はこれらの活動を通して、フィリピンの人口調査及び開発政策において多大な貢献をしている。
団体部門での授賞となるAPROFAMONGは1964年に設立され、民間の非営利、非宗教団体として、リプロダクティブ・ヘルス教育とグアテマラにおける家族問題のケア、及びカウンセリングを提供している。また、低所得の人々に質の高いリプロダクティブ・ヘルスサービスの提供をミッションとしており、グアテマラのリプロダクティブ・ヘルス分野でイニシアチブを取っている。開発計画におけるジェンダー問題を取り上げるなど、その活動は、国内の人口およびリプロダクティブ・ヘルスプログラムのための法的整備や実施のための枠組み作りに役立てられている。また、人口に関するより実質的な提案を政府に示すほか、グアテマラのより正確な人口統計データを収集および提供を行なっている。
国連人口賞の審査委員会は経済社会理事会(ECOSOC)が国連加盟国の代表から3年ごとメンバーを選出している。現在はアルジェリア、バングラディシュ、ベラルーシ、カメルーン、ガイアナ、ハイチ、イラン、ケニア、オランダ、ペルーの代表がメンバーを務めており、コフィ・アナン国連事務総長、トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長も職務上メンバーとして参加している。
今年の国連人口賞は13人の個人と10の団体を含む計23組が推薦された。2003年度は9人の個人と8つの団体を含む17組が推薦された。推薦することが出来るのは国連加盟国、人口に関する活動を行う政府間機関、国連諮問機関として指定されている人口問題に関わるNGO、人口や人口に関する教育を行う大学教授、人口に関する活動を行う機関の代表、そして過去の受賞者である。