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スーダン難民キャンプでの性暴力は予防可能とUNFPA主張 被害者の治療とキャンプの安全確保のため資金提供を

スーダン難民キャンプでの性暴力は予防可能とUNFPA主張 被害者の治療とキャンプの安全確保のため資金提供を

プレスリリース

スーダン難民キャンプでの性暴力は予防可能とUNFPA主張 被害者の治療とキャンプの安全確保のため資金提供を

calendar_today 04 8月 2004

比較的安全なアブショック(Aboushok)国内難民キャンプの女性たちは、毎晩薪を集めにキャンプの外に出る。集めた薪を日中売って家族に食料を買うのである。

「8人から10人のグループになって出かけるんです。そうすれば、薪を集めている間他が見張りになれるでしょう。誰か来る気配がすると、大声でみんなに知らせます。走ってキャンプまで戻るのですが、無事に帰れるときもあれば捕まって数日間帰れないこともあります」とキャンプのある女性は言う。

キャンプの女性を襲っているのは、ジャンジャウィード(Janjaweed)と呼ばれる民兵組織で、捕まえた女性を解放するまでくり返し殴り、強姦する。なぜキャンプの男性が薪を集めに行かないのか、もしくはせめて付き添うということもしないのかという質問に対して、ある女性は、「男性が行けば殺されてしまう。夫が殺されるくらいなら、私たちがレイプされるほうがまだましです」と答えている。

国連人口基金(UNFPA)の最近の調査によれば、同様の事例がスーダン西部のダルフール地方に住む女性から多数報告されている。アブショック・キャンプに身を寄せる女性、男性、そして子どもは、2003年3月にダルフールで始まった紛争で国内避難民となった100万以上のスーダン人の一部である。この紛争による被害は、国連高官が「世界最悪の人道危機」と呼んだほどである。

国連人口基金の調査によると、ダルフールの女性たちは性暴力の標的とされており、村が攻撃を受けた場合だけでなく、逃走中や、難民キャンプ内とその周辺でも襲われている。また、ダルフールの情勢は国際的に注目を集めているにもかかわらず、性暴力については十分な報告もされておらず、対応も不十分であると同調査は指摘している。

文化的タブーのせいで、被害者の多くが家族はおろか医師や看護師に対しても性暴力の実態について話せないでいる。さらに、被害女性の中には強制的な報告義務があるために医療施設での治療をためらうケースがあることが国連人口基金の調査で示唆されている。報告というのは、被害者が自分の名前と加害者の名前を指定の用紙に記入するもので、そうして初めて治療が受けられる。調査に協力した女性の中には、機密が守られないことが犯罪の報告をしづらくしており、結果、適切な治療を受けられないと言っている。

身体的な傷、望まない妊娠や感染に加えて、適切な治療やカウンセリングを受けられない被害者は、心的外傷後ストレスおよび衰弱性うつ症状に何年も苦しむことになりうる。国連人口基金のパメラ・デラジー人道支援室長は、被害者への支援はその家族を含むものでなければならないとして、「性暴力が蔓延することにより、家族やコミュニティー全体が強い精神的ショックを受けることになります。不安と恐れの悪循環は紛争が終結しても長く続き、人々の回復や地域の復興の妨げになるのです」と付け加えた。デラジー氏は、今年4月にダルフールへ派遣された関連機関合同調査団の一員である。

国連人口基金と関係協力機関は、現在、各コミュニティーが女性のグループを組織できるよう支援していて、性暴力の被害者やその家族に対する心のケアやコミュニティー内における被害者差別の問題など、より広い社会的側面に対応することにしている。こうした女性グループは、それまで病院や診療所で診てもらうことをためらっていた女性たちが治療を受ける際の窓口としても機能することになる。そのほかにも、国連人口基金ではダルフールの医師、看護師、カウンセラーの訓練を実施しており、性暴力のさまざまな影響をよりよく認識・治療できるよう支援している。また、診療所、病院、パートナーNGOなどに対する医薬品、医療用品の提供も行っている。さらに、国連人口基金は女性が治療を求める必要性を強く喚起し、より多くの女性が必要な治療を安全に受けることが出来るように、機密性を含んだ被害者によりやさしい診療基準の作成を提唱している。国連人口基金は、国内避難民の居住地で活動している協力機関と連携しながら、難民キャンプでのレイプの発生率を最小限に抑えるようなキャンプの設計・運営がなされるよう取り組んでいる。

「キャンプの人々の安全を守るために私たちができることには、非常に簡単でかつ現実的なものがあるのです。女性が燃料や動物の飼料を集めなければならない事実を変えることは難しいかもしれません。しかし、例えば、燃料や飼料がキャンプ内で手に入るようにすることができれば、女性も男性も安全でないところへ出かけなくてもよくなる。こんな方法もあるのです」とデラジー氏は主張する。雨季の到来にともない、キャンプ内で野菜や飼料を育てられるよう種子を提供するだけでも、女性が危険を冒してキャンプの外で飼料や薪を集めなくてもいいようにすることができる。「被害を未然に防ぐ方法とは、時として、それほどに簡単なものなのです」とデラジー氏は付け加えた。

国連人口基金のダルフールでの人道支援活動は、妊婦・授乳中の女性への支援、助産師の訓練、および緊急産科ケアを含む出産支援も含んでいる。同基金は、今後数ヶ月で何十万人にもなるだろうと予想されるスーダン国内避難民に対する活動の拡大のため、314万ドルの資金をドナー国に求めている。

View the Inter-Agency Appeal in pdf* format (608 KB) (関連機関合同アピール:読み取り専用)(英語)
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