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国連人口基金(UNFPA)は湾岸協力理事会(Gulf Cooperation Council: GCC)諸国を担当する初のオフィスをオマーンの首都マスカットに開設した。GCCはバーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビアそしてアラブ首長国連邦で構成される地域協力機構である。この国連人口基金オフィスはオマーン政府の資金協力によって運営される。

3月29日、国連人口基金事務局長トラヤ・オベイド臨席のもと、オマーン保健相であるAli Bin Mohammed Bin Mousa博士によって公式に新オフィスの開設の宣言がなされた。開設式典にはこの他、複数のオマーン国務大臣やGCC諸国大使、国連各組織の代表らが列席した。

オベイド事務局長は開設式典で次のように述べた。「GCC諸国の保健省との協力は、これらの国の市民、特に女性と家族の健康と福利にとって非常に重要なものであると、国連人口基金は考えています。GCC諸国担当オフィスがここに開設されたことは、GCC諸国がミレニアム開発目標を達成するためにUNFPA が果たす役割を再確認するものといえるでしょう。UNFPAは、GCC諸国の人々の生活の質を向上させることに貢献するからです。」

このオフィスは、人口関連問題において、オマーンをはじめとするGCC諸国と国連人口基金との協力関係をさらに促進する。また、国連人口基金はこれらの国々が社会的・文化的、あるいは保健面での国民の健康と福利を改善するための政策的努力を行うにあたり、科学的・技術的支援を提供する。

過去20年間にわたって、国連人口基金は人口関連問題でオマーンと協力してきた。人口データの収集で共同プロジェクトをいくつも実施してきたが、これはオマーンが国家開発目標を達成するのに寄与している。なお、この開発目標はミレニアム開発目標に完全に則したものである。これ以外にも、母子保健やリプロダクティブ・ヘルスに関連した複数のプロジェクトで共同歩調を取っている。

GCC諸国では、国民の保健・社会面でのニーズにどう応えるかが大きな課題となりつつある。国連人口基金のGCC諸国担当オフィス開設は、国連人口基金が可能な限り高度な技術的専門知識を提供することにより、この課題に対処しようとするGCC諸国への支援を惜しまないとする、組織全体としての意思を示すものである。