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先週、サハラ以南のアフリカの80人以上もの女性大臣、国会議員、そして関連する他の指導者達は、HIV/AIDSによるその地域人口、特に女性への壊滅的な影響に対処すべく一堂に会した。この会議では、アフリカの女性指導者が積極的にHIV/AIDSに対する国策の立案に加わることの必要性が強調され、ジェンダーの特性に対応する基準について合意が成された。

第5回アフリカ女性大臣・国会議員会議は10月15日から18日にかけて行われ、各国NGOと国連の代表者も参加した。国連人口基金によって開催されたこの会議は「サハラ以南のアフリカのジェンダーとHIV/AIDSに国民の関心を高めること」に焦点が当てられた。参加者の関心は若者、特に女性・少女にもたらされているHIV/AIDSという難題に格別向けられていた。

この危機感は大陸において勢いを増しつつあるHIV/AIDSの脅威、その蔓延に冒されている女性・少女の数の増加に端を発している。サハラ以南のアフリカはHIVに感染し、エイズによって死を迎えつつある女性の数が男性よりも多い、世界で唯一の地域である。HIV/AIDSに苦しんでいる推定2,600 万人の成人のうち、約1,500万人が女性である。多数の女性をHIV/AIDSから守るのを妨げている主たる要因は、予防法に関する知識不足とセックスパートナーとの権力の不均衡である。加えて、女性はHIV感染の危険に生理的にさらされやすいのだ。

会議の中でオベイド国連人口基金事務局長は「アフリカは危機に瀕している。我々には最大限の努力とリーダーシップを持ってしてこの危機に立ち向かう責任がある。我々が直面している危機的な課題を踏まえ、予防活動における性意識を高めていくことは非常に重要である。このことはHIV/AIDS予防計画は感染経路や安全なセックス方法に焦点を当てるだけでなく、性役割、性機能、性関係と関連する性別による力関係にも着目し、改善していくべきであるということをも指している」と述べた。

サハラ以南の40ヵ国以上の国々からの参加者はサル公約に組み込まれた提案に合意した。これには女性が自分達の身をHIV/AIDSから守るために、リプロダクティブ・ライツを含む女性の権利を守り、向上させる強い法的枠組みの必要性が含まれている。政府はまた、アンチレトロウイルス薬の効果を確かなものにし、男性用・女性用コンドームを含む、HIV/AIDSの流行に歯止めをかける全ての予防法を奨励するよう強く訴えた。

さらにこの会議は、特に学校、大学、軍隊で若者をターゲットにした確固たる、より包括的なHIV/AIDS予防プログラムを提唱した。そのプログラムは家庭内で、世代間で、信頼できる組織と一緒に、性と生殖に関する健康に対して意見交換をすることを奨励し、ハイリスクグループに対して自分達の脆弱さを警戒するような権利擁護メッセージを作り上げていこうということも盛り込んでいる。参加者はコミュニティーを教育し、リプロダクティブ・ヘルス・サービスを提供し、市民社会をサポートし続けていくことを誓った。

サル公約には大陸の発展において、女性・少女への暴力をなくし、経済力をつけるために必要な行動を取ることも含まれている。

1990年の中頃に国連人口基金によって立ち上げられたアフリカ女性大臣・国会議員会議は、アフリカの女性政治指導者にとって、社会問題に対して最新の情報を得られる唯一の場であり、それによって彼女達は地盤を固めることができる。2年に1度行われるこの会議は女性指導者同士が円滑に連絡を取れるようにし、権利擁護や政策決定に必要な知識を提供している。