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人権としての家族計画

 

世界人口デーによせて

 

国連人口基金事務局長
ナタリア・カネム

 

2018年7月11日

 

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50年前の1968年5月13日、テヘランで開催された「国際人権会議(International Conference on Human Rights)」において、世界は「親は自分たちの子どもの人数と生む間隔を自由に責任をもって選ぶ基本的人権を持つ」ことを宣言しました。

 

家族計画は人権の問題のみならず、女性のエンパワーメント、貧困の削減、持続可能な開発の達成のために中核を成すものです。

 

しかしながら、開発途上地域においては、2億1400万人もの女性が未だに、安全で効果的な家族計画の手段を持っていません。その原因は、情報やサービスの不足、パートナーやコミュニティーからの理解の不足など、様々です。この状況は、自分自身や家族、コミュニティーのためにより良い未来を作り出す彼女らの能力を脅かすものです。

 

UNFPAは、様々な現代的な避妊薬・具の安定供給を確保し、各国における保健システムを強化し、ジェンダー平等の推進を支援することにより、開発途上国における家族計画を支援しています。

 

UNFPAは、一人ひとりが、主に女性たちが家族計画を行う権利を保障する各国の努力に対し、支援を継続することをコミットしています。我々は2030年までに、開発途上国において家族計画に関する満たされない状況をなくすために努めています。しかし、これは我々だけでできることではありません。各国政府、国会議員、民間企業と市民社会が力を合わせなければなりません。まず初めにできることとして、先進国は一人当たり年間ほんの20セントの世界の家族計画資金の不足分を解消することができるのです。家族、社会、国家に対する影響を考慮すると、それは世界の未来のために出来る戦略的で実現可能な投資だと言えます。

 

本日の世界人口デーにあたって、1994年に開催された「国際人口開発会議」と「持続可能な開発目標(アジェンダ2030)」において合意されたように、家族計画に関するサービスと情報を含む、性と生殖に関する健康サービスと生殖にする権利への普遍的なアクセスを保障するよう、UNFPAは各国政府に対して求めます。家族計画に今日投資することは、次世代の数百万の女性の健康とウェルビーイングに投資することなのです。

 

世界人口デーについてのビデオ(英語)

 

「世界人口デー」
1987年7月11日に、国連がユーゴスラビア(当時)で生まれた男児を50億人目と認定したことに基づき、世界の人口問題に対し関心を深めてもらうことを意図して1989年に制定された記念日です。その後、世界人口は、1999年10月12日 に60億人に達し、2011年10月31日に70億人に達しました。