8月4日、衆議院第二議員会館にて、国際人口問題議員懇談会(JPFP)会合『アフガニスタン支援プロジェクトチーム(PT)勉強会』が開催されました。
JPFP事務総長を務める、黄川田仁志衆議院議員の進行のもと、はじめに、JPFP幹事長の武見敬三参議院議員よりご挨拶がありました。
まず東大作 上智大学教授より、「タリバン政権から一年。日本が中東の安定のためにできること」というテーマで、現在のアフガニスタンの情勢についての解説がありました。東教授は、中東と深い関係を持つ日本が、「中東やアフリカの平和や安定、食糧危機、飢餓の解消のために主体的、主導的な役割を果たすことで、現地の人々や政府、そして欧米からも感謝されるのではないか」と述べました。
続いて、国連人口基金(UNFPA)、公益財団法人ジョイセフによる、アフガニスタンにおける活動報告が行われました。
UNFPA駐日事務所長の佐藤摩利子は、アフガニスタンにおけるUNFPAの活動報告として、移動式診療チームやファミリーヘルスハウスの活動などを紹介し、日本政府からの支援に謝意を述べました。また、2時間に1人の妊産婦が妊娠や出産により命を落としている現状に鑑み緊急支援の必要性を訴えました。
ジョイセフは、日本の個人・寄付からの支援によって継続されている母子保健クリニックの支援、及び、ランドセル配布事業を通した教育支援についての報告を行いました。食糧危機に直面する現場で栄養失調の妊産婦・乳幼児のために緊急支援食糧パッケージを配布したり、母子保健に特化したクリニックの運営を行っています。
その後、質疑応答のセッションでは、猪口邦子参議院議員からの、日本の農業技術を活かした支援、給食などの食育を通した支援についての質問に対し、東教授から中村哲氏による灌漑事業をJICAがマニュアルとして記録し活用している事例を挙げ、JICAなど関連機関と協力した支援が重要であると強調しました。佐藤は、女子教育の促進に学校での食育の重要性を挙げながら、水汲みの作業のため、また初潮を迎えることによって学校に行けなくなる少女の現状や、児童婚の問題が、教育へのアクセスを阻む背景にあることを挙げました。続いて、牧原秀樹衆議院議員より現地での日本人の状況について、玄葉光一郎衆議院議員よりタリバン政権下での人権状況についての質問に対し、現地で長年に渡り活動経験のある東教授、アフガニスタンでの勤務経験のある佐藤から、それぞれ現地の様子を報告しました。
最後に、黄川田仁志JPFP事務総長よりJPFPにおいて「アフガニスタン支援プロジェクトチーム(PT)」の発足の提案がなされ、出席議員の満場一致の合意のもと、今後、具体的かつ継続支援に繋げていくため、より専門的な議論を深めていくことが決定しました。
UNFPAは、今後も引き続き、アフガニスタンで人道危機に直面している女性と少女のからだ、命、そして権利を守るための人道支援を継続していきます。
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