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アフリカの女性に対する暴力撤廃をねらいとしたダカール・フィルム・フェスティバルでは、アフリカ出身の映画制作者から映画やドキュメンタリー作品を募集している。

国連人口基金(UNFPA)、セネガル政府、ドナー団体、NGO、市民社会やその他の協力団体の共催で、11月23日から4日間にわたってフェスティバルが行われる。

11月25日は「女性に対する暴力撤廃の国際デー」である。世界中でジェンダーに基づく暴力が増加していることに焦点をあて、暴力撤廃を目指した取組みのための努力を再認識するための日として定められ、フェスティバルは、この国際デーと連動して開催される。

「女性に対する暴力はアフリカの国のみならず世界中で起こっています」、「国連人口基金とその協力団体は、女性と少女に対するあらゆる暴力をなくすべく、この問題に取り組んでいます。政府関係者や宗教指導者、一般市民にいたるまで、全ての人たちとともに、ジェンダーに基づく暴力を撤廃したいと考えています」と国連人口基金セネガル事務所代表スザンヌ・マイガ・コナテ(Suzanne Maiga-Konate)は述べた。

国連事務総長が今週はじめにニューヨークで発表した報告書には次のように記されている。「世界中で、女性に対する暴力は広範囲に悲惨な形で蔓延しており、彼女たちの生活を脅かしその権利を侵害する深い悲しみとして存在し続けています。そのような暴力が原因で、家族や地域社会は疲弊し、政策は成果をあげられずに無駄な浪費となり、経済発展が遅れてゆくのです。」

ダカール・フィルム・フェスティバルは、ジェンダーに基づく暴力によって引き起こされる諸問題について、人々の意識を喚起させ、そのような暴力をなくすことをねらいとしている。紛争下や紛争後の国々におけるジェンダーに基づく暴力家庭内暴力女性性器切除、女性を性産業に追いやる原因である極度の貧困がもたらす女性の脆弱性などがテーマとして扱われる。これら全ての暴力が原因で、女性のHIV感染のリスクが増加している。

暴力の撤廃や被害者への差別を軽減するために大きな役割を果たすであろうと判断された作品には賞金が与えられる。

「メディアは、女性に対するあらゆる暴力の問題について、人々に広く知らせることのできる有効な媒体です。また、映画やドキュメンタリーは、こういった問題について伝えるとても有効な手段です。このフェスティバルによって、これまで公にすることは良しとされなかった女性に対する暴力について話すようになり、この問題に真剣に取り組み、解決策を見つけられることを願っています」と国連人口基金アフリカ地域広報担当官アンジェラ・ウォーカー(Angela Walker)は述べた。

このフェスティバルでは、選ばれた映画やドキュメンタリーは、野外を含めダカール近郊の様々な場所で広く上映される予定である。その他、フェスティバルの期間中にアフリカ内外の専門家を招き、パネルディスカッションでは、日毎に定められたさまざまなテーマを扱う。また、メディア向けのワークショップを行い、このような繊細なテーマをどのように記事にするかということについて、関心のある報道記者に学びの場を提供する予定である。

12月には、フェスティバルで上映された映画やドキュメンタリーがアフリカ全土で見られるようになり、またジェンダーに基づく暴力の問題を抱えている他の国でも今後上映される予定である。

【ダカール・フィルム・フェスティバル応募について】
- 締切日:11月10日必着
- 送り先:Alia Nankoe UNFPA-Senegal, 19 Rue Parchappe, Immeuble Faycal, 3eme etage, B.P. 154, Dakar, Senegal