国連の設立者が、平和、人権、男女の平等への合意を提唱して60年が経ち、「貧困や差別そして紛争削減のための取り組みの中心に、人権が置かれなければならないことは明白です。」と、国連人口基金(UNFPA)事務局長トラヤ・オベイドは述べた。
7月11日の世界人口デーにおけるオベイドのメッセージにおいて、ジェンダー平等の持つ利点、女性や少女一人ひとりの生活水準が向上することにより、より自立した家族・地域社会・国家が形成される、ということを強調した。「世界人口デーの今日、より良い世界を構築する私たちの決意を再確認しましょう。そして、すべての人のための平等・正義・人権への決意を固めましょう。」とオベイドは付け加えた。
妊産婦の死亡や、出産による障害や疾病といったものを含む、不平等ゆえに生じる高い犠牲は、「傷ついた身体、閉ざされた夢、そして、打ち砕かれた精神がその表れ」であり、「開発途上国の女性の死亡および疾病の主な原因は、リプロダクティブ・ヘルスが重視されないこと」にあるとオベイドは述べ、さらに「女性には自分の安全を確保する力が十分にないため」に、貧困と不平等もまたHIV感染を加速させる、と述べた。
性差別の最も大きな犠牲は、「蔓延している女性と少女に対する暴力なのです。これは個人の安全・自由・尊厳・健康を危険にさらす、最も恥ずべき人権侵害です。」とオベイドは述べた。
平等が、発展の目的であり且つ基礎であると捉え、「あらゆるレベルの指導者が、平等な権利によってすべての人類に大きな進歩がもたらされることについて議論し、そしてそれらの権利が実現されるよう具体的かつ早急に行動を起こすこと」を強調した。
ジェンダーの平等は、全ての人が与えられるべき人権であると、コフィー・アナン国連事務総長は提唱した。また、「教育、経済上の機会、リプロダクティブ・ヘルスへの投資を、貧困の削減や発展における進歩と共に、手を携えて行動していくこと」を付け加えた。
1989年から、国連人口基金と各国のパートナーは、この世界人口デーを世界的に人口や開発問題に焦点をあてたイベントおよび活動としており、特に開発計画に着目して執り行なっている。