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レバノンの状況が悪化を続けていることを受けて、国連人口基金(UNFPA)は女性とその家族の健康を守るために支援物資を送ることを決定した。また、レバノンの保健省、国内外の機関や団体とともに、避難民の長期的なニーズに対応できるよう対策を講じている。

国連は今回の攻撃でこれまでにおよそ50万人が避難を余儀なくされ、戦闘が続けば今後80万人に達すると予測している。これらの人々は飲料水や医療サポートの不足、その他さまざまな困難に直面している。

国連人口基金は、レバノン政府保健省の要請に応じ当面のニーズに対応するため、緊急支援物資と医薬品の供給を行う。これら物資には、妊産婦が安全に出産できるように清潔な出産用機器、被害を受けた、または仮設の医療施設で安全な血液供給を確保するための機器、仮設住宅に住む女性やその家族のための衛生キット(石鹸、タオルや生理用ナプキン等)が含まれる。

国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは次のように述べた。「国連事務総長と同様に、レバノンにおける戦闘行為の停止、人道支援者の避難経路や一般市民に救援物資を届けるための安全なルートの確保を求めます。多数の女性や子どもが戦闘の影響を受けているため、特に早急な対応が求められています」

医療施設が被害を受け、また人々も危険な状況下で医療施設に行くことができないため、避難を余儀なくされた妊産婦の健康が危険にさらされている。出産可能期の女性の5人に1人が妊娠していると考えられており、このうち約15パーセントが緊急産科ケアを必要とする妊娠合併症を患う危険性がある。このような状況下で妊産婦は、流産、出血、早産、その他の合併症などの深刻な危険に直面している。リプロダクティブ・ヘルスに関する情報やサービスが利用できないため、妊娠や出産合併症は避難女性・少女の主な死因や障害の原因となっている。

国連人口基金はまた、国境を渡ってシリアに避難した10万人以上の難民のニーズに対応するためにリプロダクティブ・ヘルス関連の緊急支援物資も送っている。同機関は今後の国連機関共同の緊急アピールの一環として、より包括的な人道活動を行うことも計画している。

さらに国連人口基金は緊急保健専門家を現地に送り、技術的なサポートの提供、長期的なニーズを迅速に査定するための補助、また女性や青年期の若者の健康、心理的に良好な状態を保障し、彼ら/彼女らを保護することを全体的な人道支援計画に盛り込むとした。