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中南米諸国がリプロダクティブ・ヘルス合意を再確認

中南米諸国がリプロダクティブ・ヘルス合意を再確認

プレスリリース

中南米諸国がリプロダクティブ・ヘルス合意を再確認

calendar_today 11 3月 2004

ラテンアメリカとカリブ地域の国々は、ほぼ満場一致で、10年前にカイロで採択された人口とリプロダクティブヘルスに関する行動計画(ICPD行動計画)を再確認した。

貧困撲滅と家族計画、安全な母性(Safe Motherhood)及びHIV/エイズ予防サービスへのアクセス向上とを関連づけた同会議での宣言を承認しないでいる唯一の国は、米国である。

当地域40カ国から300人以上の政府代表及び開発パートナーがチリのサンチアゴ市に集い、実施期間を1994年から20年間と定めたICPD行動計画の進捗状況に対する2日間の評価を行った。当地域の所管省庁事務官による人口と開発に関するアドホック会議がラテンアメリカ・カリブ地域社会経済委員会(ECLAC)の本部で開催されたのである。

同宣言は、各国の政府に対し、貧困削減計画のなかにリプロダクティブヘルス・サービスを含め、その努力を強化することを強く要請している。他方、ICPD 行動計画の実施が、2000年9月のミレニアム開発目標などの、国際的に同意された開発目標の達成の為に必要不可欠であることを確認した。

米国はHIV/エイズ、思春期及び中絶に関する見解の違いを理由に、同宣言から一歩引いた態度を示している。米国の代表は、この宣言に禁欲主義に関する言及がないことに関して特に遺憾の意を表明した。また彼女は、同宣言が、ICPD行動計画のなかの、思春期若者の権利と両親の役割と責任との関連を述べている部分を無視しているとも付け加えている。

米国の代表は、米国政府は、国連会議の議事録や文書には中絶を促進・支援するかのようないかなる内容も記載されるべきではないということを強調し、ICPD行動計画の採択時及びICPD+5で複数の政府代表によって表明された危惧に同意すると述べた。

しかしながら、1994年及び1999年に危惧を表明した9カ国は、本会議での宣言には参加し、同宣言での政策提案を支援する旨を表明している。例えばニカラグアの代表は、ニカラグア政府は「ICPD行動計画を最重要課題へのツール、国際社会の合意の産物であると捉えており、主要目標を経済成長と貧困削減に置いている本国は、政策・法律の策定の際には同計画を参照してきた」と述べた。

エクアドルの代表は、「少年、少女、思春期の若者が、身体的、精神的、文化的、個人的、性的尊厳を守る権利を有することを確認する」と発言した。

政府組織、非政府組織及び若者グループから、今日の宣言を支援する演説が全部で約50件、行われた。思春期若者の権利と、彼らの人生を守る情報やサービスへのアクセス向上が本会議での主要テーマであった。

ジャマイカ政府代表は、「ジャマイカ政府は思春期若者向けのセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/サービスの重要性を考慮し、その充足を目指してサービス向上に努めてきた」と述べた。

26カ国を代表して、19歳になる若者グループのメンバーが未達成公約について発言した。「(カイロで)大人の男性・女性によって、若者がセクシャル/リプロダクティブ・ヘルス/サービスにアクセスできるべきであると決議があったにもかかわらず、多くの若者はコンドームの使用が自らの命を救うかもしれないということを未だに知らないでいる。」「我々は今日この会議に出席している政府の代表者に対し、我々があなた方の席に座って正しい決定を下す立場となるまで後10年、我々に待ちぼうけを食わせることを望まない。カイロを再確認し、進展すべきだ!」

同宣言は、ラテンアメリカ及びカリブ地域諸国に対し、基本的サービスおよび包括的なリプロダクティブヘルスケアを提供することで、妊産婦死亡率、幼児死亡率及び疾病を削減するための努力を更に努力を倍加することを求めている。

各国には、セクシャル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツの枠組みのなかで、性感染症、特にHIV/エイズを予防・治療する努力を拡大してゆくことが求められる。各国政府は、若い男性、女性が自らがHIV感染を予防出来るように、情報、教育、及びサービスへのアクセスを保障するべきである。また同宣言は、各国政府がHIV/エイズ患者のプライバシーや守秘義務を尊重しつつも、可能な場合には、それらの人への無料の治療を提供するべきであるとも追記している。

各国代表はまた、各国政府が可能な限り広範囲の家族計画、特に、最貧困層、先住民族、および周縁化された社会グループ及び民族グループに対して普遍的アクセスを保障することに同意した。

同会議での宣言によれば、女性や少女への暴力、特に性的暴力・虐待を予防・撲滅するための努力も強化されるべきである。

このサンチアゴでの会議は、一連のICPD実施の中間時点での地域別評価の一つである。この会議での成果は3月22-26日の国連人口開発委員会へのインプットとなる。また、6月29-30日のプエルトリコ、サン・フアン市での人口と開発に関するアドホック委員会にも提出される予定である。