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世界人口白書2021  私のからだは私のもの:からだの自己決定権を求めて

世界人口白書2021   私のからだは私のもの:からだの自己決定権を求めて

Press Release

世界人口白書2021  私のからだは私のもの:からだの自己決定権を求めて

calendar_today 14 4月 2021

【約半数の女性のからだの自己決定権が侵害されていると国連人口基金が発表】

 

暴力には、レイプ、強制不妊手術、処女検査、女性器切除(FGM)などが含まれる
 

2021 年 4 月 14 日 ニューヨーク 
国連人口基金(UNFPA)が本日発表した「世界人口白書 2021」は、57 の開発途上国において約半数の女性が、パートナーとの性交渉、避妊薬・具の利用、ヘルスケアの 3 つの分野における決定権を真に享受できていないと訴えています。

本白書は、国連の報告書として初めて「からだの自己決定権」に焦点を当てています。からだの自己決定権とは、暴力を恐れたり、他人に決められたりすることなく、自分の身体に関することを自分自身で選択することと、その力を意味します。からだの自己決定権が損なわれると、女性と少女に深刻な被害を与えるだけでなく、経済的生産性とスキルの低下をもたらし、結果的にヘルスケアや司法制度に余分なコストが必要となる可能性があります。
 

主な調査結果:私の身体ではあっても、私の選択ではない

UNFPA は「世界人口白書 2021」を通じて、女性が自分の身体について自分で決める力と、各国の法律がそれをどの程度サポートしているか、あるいは妨げているかについて測定しています。

データの入手が可能な国における調査結果は以下の通り。

● ヘルスケア、避妊、性交渉に対して完全な自己決定権を持っている女性は、全体の 55%。

● マタニティケア(妊娠・出産・中絶)へのアクセスを保障している国は、全体の 71%

● 避妊への完全かつ平等なアクセスを保障している国は、全体の 75%

● 性に関する健康とウェルビーイングを支援する法律を制定している国は、全体の約 80%

● 包括的な性教育を支援する法律と政策がある国は、全体の約 56%
 

UNFPA 事務局長のナタリア・カネムは、「今もなお半数近くの女性が、性交渉、避妊、ヘルスケアを受けることについて自らの意思で決められないという事実に、私たちは憤りを覚えています」

と訴えます。「つまり、何億もの女性や少女たちが、自分の身体を自分のものとして所有していないことを意味しています。彼女たちの人生は、他人に支配されているのです」。
 

●20 の国や地域で「強姦犯との結婚」に関する法律が定められており、男性がレイプした女性や少女と結婚した場合、刑事訴追を免れることができます。

●43 の国々では、配偶者間におけるレイプの問題を扱う法律が存在しません。

●30 を超える国々で、女性が家の外で活動する権利が制限されています。

● 障害を持つ少女や少年は、性暴力の標的になる可能性が約 3 倍高く、中でも少女は最も大きなリスクに晒されています。

 

解決策:Yes と言う力、No と言う権利

「世界人口白書 2021」は、虐待に対処するための対応が、からだの自己決定権を侵害するさらなる暴力を引き起こすことになり得ると言及しています。例えば、レイプ事件を起訴するための刑事司法制度は、処女検査を要求する場合があります。

真の解決策は、被害者のニーズと経験を考慮したものであるべきと、本白書は訴えています。例えばモンゴルでは、障害者が、性と生殖に関する健康上のニーズについて、政府に直接意見を伝えられるような調整が行われています。アンゴラでは、からだや健康、権利について教育を受けた若者が、ヘルスケアへのアクセスや避妊具の利用、望まない性行為を断ることができるようになりました。さらに、性暴力の被害を受けた後に裁判を申し立てるため立ち上がる若者も増えてきています。
 

「からだの自己決定権の否定は、女性と少女の基本的人権の侵害であり、不平等を拡大し、ジェンダーに基づく差別に起因する暴力を延々と固定化させるものです」と、カネムは強調します。「それは精神を崩壊させる程の脅威であり、阻止すべきものです」。

「対照的に、自分のからだをコントロールできる女性は、彼女の生活におけるその他の領域でも力を発揮する可能性が高まります。つまり、自己決定権だけでなく、自らの健康状態や教育水準、収入や安全性も向上します。その結果、彼女だけでなくその家族も健康的に生活できる可能性が高まるのです」と、カネムは続けます。
 

「世界人口白書」は、UNFPA が 1978 年より毎年発表している旗艦報告書です。性と生殖に関する健康・権利の分野において、解決が急がれる問題に光を当て、それらを重要なものとして提示し、国際社会の開発に向けた課題と機会を探る役割を果たすことを目指しています。

 

参考

UNFPA は、性と生殖の健康に取り組む国連機関として、避妊薬・具、命を守るリプロダクティブ・ヘルス・サービスや情報を提供し、女性と少女が自分のからだや人生について、十分な情報を得た上で意思決定することができるよう支援しています。

●UNFPA についてさらに詳しい情報はこちら

 

【問い合わせ先】

●インタビューや詳しい情報に関する問い合わせ

○ Eddie Wright : ewright@unfpa.org TEL:+1 917 831 2074

○ Yasmeen Chaoul : chaoul@unfpa.org

 

 

【関連ページ】

・世界人口白書2021 報告書全文(英語)のダウンロードはこちら

・UNFPA事務局長による声明文はこちら

・世界人口白書2021 特別動画はこちら↓