HIV感染予防のための避妊薬(具)やコンドームに対する拠出金額は、2007年に2億2,300万ドルに達した。国連人口基金(UNFPA)の分析によると、この金額は2006年の2億1,200万ドルに比べ、わずかに5%増加したにすぎない。以前より多くのカップルが近代的避妊法を使用し、人口が増加し続けているという現状を考えると、この増額ではとうてい対応しきれない。
「性感染症やHIV感染予防のための避妊薬(具)とコンドームに対する支援2007」によれば、避妊薬(具)の支給に充てられる拠出額は、2001年に史上最高額である2億2,400万ドルに達して以来、事実上低迷している。
国連の「ミレニアム開発目標報告2007」によると、世界中で約2億人の女性が、効果的な家族計画を実行できずにいる。また避妊薬(具)の使用者の総数は、2000年から2015年の間に25%増加すると予測されている。このままでは、各国、そして国際社会が協力して取り組まない限り、何百万人もの人々がリプロダクティブ・ヘルスに関わる「避妊」という選択をできないだろうと、警鐘を鳴らす分析もある。
女性用コンドームに対する拠出額は、2001年から2007年の間に約200万ドルから約1,300万ドルへとおよそ6倍増加したと分析されている。更に、2007年の拠出金のうち85%が男性用コンドーム、経口避妊薬、避妊薬注射という3種類の避妊薬(具)の供給に充てられた。
HIV感染予防のための避妊薬(具)やコンドーム調達・供給用の拠出金のうち、サハラ以南のアフリカには、2006年に50%弱が充てられていたが、 2007年には60%に増加した。アジア太平洋地域、ラテンアメリカ・カリブ海、アラブ諸国、東ヨーロッパなどの地域へも拠出はなされている。
「性感染症やHIV感染予防のための避妊薬(具)とコンドームに対する支援」は、国連人口基金が管理する1990年以降のHIV感染予防の為の避妊薬 (具)、コンドーム、その他の様々なタイプのリプロダクティブ・ヘルス関連物資についての21,000を超える調達記録の概要と分析を掲載している。
この3カ年プロジェクトは、オランダとスウェーデンの資金援助のもと、上記11カ国の国連人口基金と国際助産師連盟の事務所が実施する。
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Katja Iversen
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