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「出産のために一分毎に女性が死にさらされる世界を変えなくてはなりません。」と、本日、国連人口基金事務局長トラヤ・オベイド氏が述べた。

「私たちは、何百万の女性が不幸にも妊娠や出産によって命を落とすのを防ぐために、なし得る全てのことを行い、より思いやりのある世界を作っていかなくてはなりません。このような悲劇的な死をどのように回避すべきか手段を知っているのですから、なおのことです。」と、オベイド氏は2000年に世界の指導者達によって合意されたミレニアム開発目標(MDGs)を達成するための進歩と課題に関する報告の冒頭で述べた。「リプロダクティブ・ヘルス・サービスが行き届かないがゆえに命を落とすことがあってはならないということに、世界の国々が同意して随分経ちます。本日の報告は、家族計画を含めたリプロダクティブ・ヘルスケアの完全普及が母体の健康と女性の命を守るスタート地点であることを再度主張するものです。」

「母体が健康であれば、女性は職業や教育を受ける機会が広がり、家族そしてコミュニティの生活を向上させるような意思決定の力を持つことができます。」とオベイド氏は述べた。「本日の報告で指摘するように、女性のエンパワーメントは、貧困や飢餓、疾病の克服、また全ての開発目標を達成するために不可欠のものなのです。」

「この5年間で前進した部分もありますが、本日の報告を見ても、貧困を削減し世界の人々の命を救うにはもっとたくさんのことをしなくてはいけないということが明確に示されています。」とオベイド氏は述べた。「少女や女性の権利を高めること、リプロダクティブ・ヘルスを守ること、そして性感染症特にHIV/エイズから自身を守る方法、これらは先進国、開発途上国を問わず、全ての国にとって開発目標を達成するための最も確実な方法なのです。」

ミレニアム開発目標レポート2005は、MDGsと1994年ICPDで採択された行動計画が密接に関わりあっていることを明白にし、その中でさらに、生活を維持し貧困と闘っていく上でのリプロダクティブ・ヘルスの役割も強調しています。」とオベイド氏は述べた。

報告では、求められている家族計画サービスが発展途上国の全ての女性に行き届けば、その国の妊婦死亡の危険は十分に減らすことができるとされている。現在、安全で効果的な避妊サービスを必要としていながら、それらがまだ行き届いていない女性は2億人いるとされている。

WHO(世界保健機構)によると、もしこのような女性が効果的な避妊薬具を使用すれば、毎年10万人、つまり世界全体の1/5の妊産婦死亡が避けられるとされている。

報告の中では、さらに、予期せぬ困難に直面している妊婦にとって、医療ケアを受けることや薬剤や設備、備品が整っている産科救急ケアセンターへのアクセスがあることは不可欠であると指摘している。

ミレニアム開発目標レポート2005は、HIV/エイズの拡大を防ぐより実践的かつ進歩的なアプローチの必要性を主張するものである。「AIDSの完全な治療方法は存在しません。予防が全てなのです。そして、100万人以上のHIV感染者にケアが行き届くよう拡大させていかなければなりません。」