国連人口基金(UNFPA)ブルキナファソ事務所が実施する「若者の性と生殖に関する健康・権利の強化支援プロジェクト」の開始式が、7月28日にブルキナファソの首都ワガドゥグで開催されました。日本政府の資金的援助により行われるこのプロジェクトは、日本の国際協力NGOジョイセフがパートナーとして事業実施に協力し、性と生殖に関する分野において個人およびコミュニティの人権を保障するために、ブルキナファソ政府と日本政府および両国の開発パートナーと実施する多国間協力事業の一例です。
ブルキナファソでは、若者の性と生殖に関する健康・権利(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)に関して多くの課題があります。特に女性と少女に対して、女性性器切除(FGM)などさまざまな形の暴力がある他、思春期および若者の性に対するネガティブな認識や女性の権利に関する一般的な知識が不足していることも問題となっています。
こうした課題の解決を目的に、UNFPAブルキナファソ事務所とブルキナファソ家庭福祉協会(ABBEF)、ブルキナファソ大統領夫人が代表を務めるKIMI財団とジョイセフが共同し、若者の性と生殖に関する健康・権利の強化を支援するプロジェクトを立ち上げ、日本政府の国際機関連携無償資金を受けて実施することになりました。
今年より3年間かけて実施される本事業は、ブルキナファソ中部、中西部において、27万人以上の若者を対象として、性と生殖に関する健康サービスの強化等に取り組みます。
開始式には、在ブルキナファソ日本国大使館からは伊藤雅通臨時代理大使が出席し、国際協力NGOジョイセフの理事長である石井澄江氏がビデオメッセージを送りました。ブルキナファソ大統領夫人をはじめとする関連機関の代表のほか、ブルキナファソの外務・協力大臣や、首都ワガドゥグ市長ほか関係者をはじめ、現地の若者100名以上が参加しました。
伊藤臨時代理大使は「活力ある社会を構築するためには、若者が性と生殖の健康に関する権利を十分に享受できる環境を整えることが不可欠です」と述べました。
KIMI財団の代表を務めるシカ・カボレ ブルキナファソ大統領夫人は「このプロジェクトでは、ブルキナファソにおける情報通信技術と性と生殖に関する健康関連サービスの提供を結びつけるものとなるでしょう」と期待を寄せました。
国際協力NGOジョイセフの理事長である石井澄江氏は、ビデオメッセージで「KIMI財団の「KIMI」が傘という意味であるように、このプロジェクトによってすべての若者が性と生殖に関する健康と権利を享受でき、彼らを守る傘のような役割を果たすことを願っています」とエールを送りました。
UNFPAブルキナファソ事務所代表 オーギュスト・ポニョンは「若者が自分の可能性を最大限に発揮できるようにすることが、私たちの目指している目標です」と語りました。
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ブルキナファソ政府による記事(フランス語)はこちら
また、多くのブルキナファソのメディア(フランス語)にも大きく紹介されました。