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本日、国連人口基金事務局長のトラヤ・オベイド国連事務次長は、アフリカ諸国の国会議長と指導者に、生命を救うための人口とリプロダクティブ・ヘルス・プログラムを実行することによって、アフリカの何百万もの人々がHIV/エイズ、貧困、病気により死亡することを食い止めるための更なる資金を確約すべきである、と訴えの中で述べた。

「より大きな関心と資金が人口とリプロダクティブ・ヘルスに傾注されなければ、貧困の削減、妊産婦保健の改善、子供の死亡率削減、HIV/エイズの蔓延を減少に転じさせること、女性のエンパワーメントとジェンダーの平等の促進、そして持続可能な開発の増進に我々は失敗してしまうでしょう」と、今週チャド共和国で開かれた、人口と開発の問題に関するアフリカ諸国の国会議長会議でオベイド氏は述べた。

「今日アフリカ全体が直面する最大の人口問題はHIV/エイズと乳児、子ども、妊産婦の高い死亡率、高出生率、そして高い人口成長率に関する問題です。」とオベイド氏は述べた。「妊産婦死亡率ほど、富裕国と貧困国の間で大きな格差を示す健康指標は存在しません。妊産婦の健康が貧弱であることは、いまだにアフリカにおける女性の死亡や身体障害の主要な原因なのです。」

過去30年に渡って、アフリカの人口は4億1600万人から9億600万人へと増加してきた。国連の予測によれば、仮に出生率が低下し続けるとしても、 2050年までにその人口は19億人へと倍増するという。しかし出生率が変化しないならば、アフリカの人口は2050年までに31億人に達する見込みである。

オベイド氏が言う過去10年における人口政策の最も重要な発展は、人口の急激な成長を鈍化させる政策を実行してきたアフリカ政府の数である。30年前には、アフリカの政府の25パーセントしか人口増加に取り組む政策をもっていなかった。今日では、その数字は75パーセントにまで跳ね上がっている。

「必要なことは、人々の生活状態を改善し、妊産婦および子どもの死亡率を低下させ、エイズと戦い、子どもと女性の地位を擁護するために妥協をしないことです。」とチャド共和国大統領イドリス・デビは代表団への演説で述べた。「国会レベルの団結、特に南北をつなげるようなものは、先進国が自らの貢献を増加させ、公約を遵守するために重要な役割を果たすことが出来ます。」

国連人口基金によって実施されたグローバル・サーベイによると、アフリカの国々のほとんどは国家的エイズ戦略も採択し、そして多くの国々が最も高い感染リスクにさらされているグループにも手を差し伸べることに成功してきた。

しかしサーベイでは、リプロダクティブ・ヘルスとHIV/エイズのサービス間の連携を更に強くする必要性や、女性と女子に特有の要求に一層完全に取り組む必要性が明らかになった。家族計画、リプロダクティブ・ヘルス、HIV/エイズ政策とプログラムの連携は、最終的には命を救い、効果的な対応を増大させるであろう、と彼女は述べた。

多くの国々が報告するように、HIV/エイズは国家開発政策の有効な実施に対する、主な障害になっており、社会経済開発を数十年分も逆行させた。特に重要なものの中では、若い女性の間でのHIV感染の劇的な増加がある。彼女らはアフリカにおける15歳から24歳までのHIV/エイズと共に暮らす人々の4分の3をも占めている。

HIVの感染が女性化するにつれて、若い人々も深刻な打撃を受けつつもあります。これは彼らに必要な情報とサービスが十分になされていないことを示す傾向です。」とオベイド氏は述べた。「痛いほど明らかなこととして、性に関して沈黙をする文化においては、行動の必要性を明確に認識していたとしても、若い人々をとてつもなく大きなリスクにさらしてしまいます。」

ミレニアム開発目標を達成するためには、既存の計画、法律、政策、戦略を具体的な行動へと移すことが必要である、とオベイド氏は強調した。具体的には、医療制度を強化し、付加的な医療ケアの提供者についてはそのケアの質を改善するために訓練されなければならない。更に、避妊薬やコンドーム、そして他のリプロダクティブ・ヘルス物資の安定した供給がなされる必要がある。リプロダクティブ・ヘルスとHIV/エイズのサービス間の連携は、特に女性と若い人々に対しては、強化されるべきである。最後に、各国政府は、貧困層と社会の周辺に置かれている人々に手を差し伸べなければならない。

「必要に見合った対応を結集させるときが来た。創造性と政治意志が至急必要とされている」とオベイド氏は述べた。「我々は何百万ものアフリカの人々がエイズで死んでいくのを傍観していることは出来ない。家族やコミュニティが貧困や病気で打ちのめされてしまうのを黙って見ているわけにはいかない。機会を探し求め、そしてほぼ何も得られなかった若い人々に対して、見て見ぬ振りをすることはできない。我々は指導者として責任を有するのである。」

木曜日、38カ国からの代表者たちがンジャメナ宣言を採択した。その中で、参加者はミレニアム開発目標の達成に向けた進展、特には妊産婦保健の改善に関連したもの、子どもの死亡率削減、ジェンダーの平等の促進、HIV/エイズの蔓延防止や貧困の根絶を測る目安として、セクシュアル、リプロダクティブ・ヘルスの完全普及を2015年までに実現するよう最大限の努力をすることを誓った。宣言は9月にニューヨークで行われる国会議長会議総会で提示されることになっている。