「リプロダクティブ・ヘルス/ライツの25年『残された課題』と私たちにできること」開催報告

2019年12月18日

衆議院議員会館1階101

12月18日(水)参議院議員会館において、「世界人口白書2019」日本語抜粋版の完成と国際人口開発会議(ICPD)25周年のナイロビ・サミットの報告会として、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツの25年『残された課題』と私たちにできること」を開催しました。

登壇者は「世界人口白書2019」の作成に携わった方々や、ナイロビ・サミット参加者などが集い、平日の昼間にも関わらず会場は来場者でいっぱいとなりました。

 

イベントの冒頭に増子輝彦参議院議員から、世界で人権と性と生殖に関する健康と権利(SRHR)への注目が高まっているなか、重要なのは「価値観の議論ではなく、すべての人々が合意できる権利の獲得のために皆が一体となり、具体的アクションに取り組むべきである」と述べました。

 

続いて、阿藤誠 国立社会保障・人口問題研究所名誉所長は、監修をされた「世界人口白書2019」日本語版に記載されている『残された課題』について解説しました。そこで、人口問題の解決には、人口抑制の政策ではなく、持続可能な開発目標にも含まれるSRHRにきちんと目を向けるべきと述べました。

 

 

イベントの後半のパネル・ディスカッションでは、黄川田仁志衆議院議員、高尾美穂・産婦人科医、鷲見学・外務省国際協力局国際保健政策室長、勝部まゆみジョイセフ事務局長を迎え、ファシリテーターを東京事務所長の佐藤が務めました。

パネリストの方々からは、ナイロビ・サミットに参加した感想とSRHRへのアクセスを含めた女性、少女、若者の健康や権利の推進、妊産婦死亡の削減などについて、取り組むべき課題とそれぞれの立場からできることをお聞きしました。

 

 

黄川田議員は、ナイロビ・サミットでは、世界の人口問題の解決に向けてさらに具体的な議論を行う必要性を強調し、さらにUNFPAが掲げる「3つのゼロ」を達成するための目標を具体化することで、日本政府も協力ができるのではないかと発言しました。

 

高尾美穂・産婦人科医は、ナイロビ・サミットに参加して、世界における日本の貢献度が下がっていることを懸念し、またケニアを訪れた際に、日本の避妊具・薬へのアクセスや種類が少ないことに気付いたというエピソードを紹介しました。

 

また、福田友子・国際家族計画連盟(IPPF)東・東南アジア・大洋州地域事務局長から、ICPD25の先はどうなるのかという問いに、黄川田議員や勝部氏から、今後のICPDの「残された課題」の実現のために、ナイロビ声明に沿った活動を進めていくに当たり、日本が一つのチームとなって協力していくことが鍵となるのではと答えました。パネリストの方々からは、各国の人口動態に見合った政策立案を行い、少子化と直面している日本としていかに世界の人口問題への取り組みに貢献できるかを今後も議論していく重要性についての指摘もありました。

閉会の挨拶では、楠本修APDA事務局長が登壇し、今回はICPDから25年を記念したサミットが開催されたが、「ICPD50はない」というナイロビ・サミット中に用いられた言葉を借りて力強く述べました。権利が実現されるためには、強い思いと同時に冷静に考え具体的な行動を起こすべきであると述べるとともに、「世界人口白書2019」日本語抜粋版作成に携わった方々への感謝の言葉で締めくくりました。