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7月11日世界人口デー『世界人口白書2022』

日本語版発表記念オンライン・イベント

思わぬ妊娠の前後左右 ―いろいろな選択と自己決定権― 開催レポート

 

 

 

世界人口デーである7月11日、オンライン・イベント「思わぬ妊娠の前後左右 いろいろな選択と自己決定権」が開催されました。このイベントは『世界人口白書2022』日本語版の発表を記念して、国連人口基金(UNFPA)駐日事務所、NPO法人 女性医療ネットワーク、SRHR Initiative(研究会)(五十音順)の3団体が主催したもので、申込みは満席の507名、当日はおよそ325名以上の方が参加しました。

 

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プログラム開催概要

7月11日世界人口デー『世界人口白書2022』日本語版発表記念オンライン・イベント

思わぬ妊娠の前後左右 ―いろいろな選択と自己決定権― 

 

日時:2022年7月11日(月)世界人口デー

開催方法:Zoomウェビナー

 

●プログラムおよび登壇者一覧(敬称略)

司会:池田裕美枝(女性医療ネットワーク・SRHR Initiative)

 

開会の挨拶:

・イブ・ピーターセン(国連人口基金事務局次長)*ビデオメッセージ

・対馬ルリ子(女性医療ネットワーク理事長・産婦人科医)

 

来賓挨拶: 

・上川陽子(国際人口問題議員懇談会(JPFP)会長・衆議院議員)

・赤堀毅(外務省地球規模課題審議官)

 

『世界人口白書2022』解説:

・佐藤摩利子(国連人口基金駐日事務所長)

 

日本における“意図しない妊娠”の現状:

・中島かおり(NPO法人ピッコラーレ代表)

 

パネルトーク:

ファシリテーター:宋美玄(産婦人科医)

パネリスト(五十音順):

・石井光太(ノンフィクション作家)

・坂井恵理(漫画家)

・高橋幸子(産婦人科医)

・中島かおり(NPO法人ピッコラーレ代表)

 

閉会の挨拶:

・阿藤誠(国立社会保障・人口問題研究所名誉所長、「世界人口白書」監修者)

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イベントの冒頭では、司会を務めたSRHR Initiative(研究会)代表の池田裕美枝より、本イベントの開催意義について説明しました。

 

池田:『世界人口白書2022』では「見過ごされてきた危機 意図しない妊娠」をテーマに、世界の状況について報告されています。本日のイベントは、私たちが暮らす日本社会における“意図しない妊娠”の状況と、現実を変えるためにこれからどんなことができるのかをディスカッションするために企画されました。

 

●開会の挨拶:イブ・ピーターセン(国連人口基金事務局次長)

 

『世界人口白書2022』において発表された、世界の妊娠のおよそ半数が意図しない妊娠であることに触れ、日本のリーダーたちに呼びかけました。

 

モニター画面に映るスーツ姿の男性</p>
<p>自動的に生成された説明

 

イブ:意図しない妊娠により少女は退学を強いられ、女性は職場を追われてしまい、その結果貧困が深刻化し、次世代に負の影響を与え、保健医療制度に多くのコストがかかっています。この危機はあまりに日常的に起こっていることであり、これまで見過ごされてきました。UNFPAは世界中のリーダーたちに、女性と少女のための選択肢と資源を拡大させ、女性たちの価値を高め、その声に耳を傾け、彼女たちが必要とする避妊具と情報に投資することを呼びかけています。それがからだの自己決定権をサポートすることになるのです。UNFPAはこれからも、日本政府、JPFP、その他のパートナーと、持続可能な開発目標(SDGs)のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)とジェンダー平等の実現のために協力していきます。

 

●開会の挨拶:対馬ルリ子(女性医療ネットワーク理事長・産婦人科医)

また、1980年代から産婦人科医として女性の自己決定権をサポートしてきた、女性医療ネットワークの対馬ルリ子から挨拶がありました。

挿絵 が含まれている画像</p>
<p>自動的に生成された説明

 

対馬:過去の産婦人科医療では、女性の自己決定は重んじていられてない背景があったと思います。しかし近年の日本では、フェムテックなどの産業上のブーム、ジェンダー格差の見直しが進み、女性が働きやすい、出産しやすい、発言をしやすい、女性の自己決定権がしやすい世の中になりつつはあります。一方で、コロナのパンデミック、ウクライナ、アメリカにおける人工中絶の違憲問題など、女性の尊厳はどうなってしまうのかと思わせるような世界情勢であります。本日は、その渦中において私たちができることを確認していきたいと思います。

 

●来賓挨拶: 上川陽子氏(国際人口問題議員懇談会(JPFP)会長・衆議院議員)

続いて、国際人口問題議員懇談会(JPFP)会長の上川陽子衆議院議員よりご挨拶をいただきました。妊娠・出産は、個人にとって、性の尊厳、「からだの自己決定権」に係る人生における大切なライフイベントであり、誰一人取り残さない社会を構築するための基礎であると言及されました。

キッチンに立っている女性</p>
<p>低い精度で自動的に生成された説明

 

上川議員:私たちは『世界人口白書2022』で示されている、世界中の妊娠の約半数が意図しないものであるという事実や、ウクライナ戦禍の中レイプによる妊娠、コロナ禍により増加する児童婚・少女の妊娠など、様々な危機がさらに女性の人生を奪う結果となっていることを直視する必要があります。今こそ、こうした人道危機を改めて認識し、取り組みを強化し、「産む性」である女性の生涯にわたる健康とその権利を保障していくことが重要です。そのためにも、JPFPとUNFPA、さらに市民社会、有識者の方々との連携強化が不可欠です。本イベントにおいて「意図しない妊娠」に光をあて、性の尊厳、「からだの自己決定権」に関するあらゆる叡知を集結し、活発な議論が行われることを心より歓迎するとともに、このイベントが日本国内における啓発を促す一助となり、誰一人取り残さない社会を実現するための力となりますよう、充実した議論と提言を期待しております。

 

●来賓挨拶:赤堀毅氏(外務省地球規模課題審議官)

メガネを掛けた男性</p>
<p>自動的に生成された説明

 

また、外務省の赤堀毅地球規模課題審議官からは、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ。以下、SRHR)の日本でのさらなる広がりを期待しているというメッセージをいただきました。

 

赤堀氏:日本政府はこれまでも、UNFPA(国連人口基金)と緊密に連携し、人間の安全保障の実現の観点からも、国内外におけるSRHR推進を支援してまいりました。今回の白書で報告された事実は、UNFPAが行っている家族計画、包括的性教育、医療従事者研修の重要性を改めて明らかにしました。日本政府は今後も、UNFPAを含む国際社会と緊密に連携しつつ、あらゆる人々の命と健康を守るための取り組みを継続していく方針です。「世界人口デー」のこの日に、SRHRについて考え、「からだの自己決定権」に関する多角的な議論が行われることは大変意義のあることであります。

 

●『世界人口白書2022』解説:佐藤摩利子(国連人口基金駐日事務所長)

SEEING THE UNSEENー『世界人口白書2022』で伝えたいことー

 

国連人口基金駐日事務所長の佐藤摩利子より、『世界人口白書2022』見過ごされてきた危機「意図しない妊娠」』について解説をしました。本白書の英題は「SEEING THE UNSEEN」。「見えないものを見てほしい」というメッセージが込められています。