世界のなかでも、あるところでは、思春期にさしかかると、前途には限りない可能性が広がり、10歳の少女は自分の教育、その後の仕事、そして人生全般に影響を及ぼす選択をし始めます。
しかし別のところでは、10 歳の少女の生きる範囲は限られています。思春期を迎えると、親戚、地域社会の有力者、社会的・文化的規範、制度や差別的な法律などが一緒になって、その少女の人生の道に立ちはだかるのです。
10 歳ともなると、結婚を強いられるかもしれません。そして学校は中退を余儀なくされ、育児と夫への忍従の生涯が始まることになるかもしれません。
10 歳になると、資産、つまり売買の対象となる商品とされることもあります。
10 歳になると、自分の人生について一切の発言が否定されることもあります。
10 歳になると、その子の人生は自分のものではなくなります。すべて他の人たちが決めるのです。
少女が思春期から生産的で自立した大人になるまで、安全で健康な道をたどるのを邪魔するのは、権利の侵害です。これは本人だけでなく、その地域や国にとっても大きな損失となります。
少女の潜在的な可能性が実現されないと、私たちはすべてを失うことになります。
(国連人口基金事務局長「はじめに」より)
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