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2021年4月6日 リビア・トリポリ:

日本政府は、リビアの最も脆弱で貧しいコミュニティに暮らす女性と少女の健康と尊厳を守る同国の取り組みを支援するため、国連人口基金(UNFPA)に130万米ドルの資金援助を行いました。今年の4月1日に始動した本プロジェクトの主な目的は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受け、リビアで緊急性が高まっているジェンダーに基づく暴力への対応やリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)サービスの欠如に起因する課題に対処することです。

 

人道危機や武力紛争、長引く情勢不安に加え、リビアを襲った新型コロナウイルスの感染拡大は、女性と少女の生活に大きな影響を与え、死傷したり、避難を強いられたり、性的暴力などあらゆる暴力にさらされたりする事態を引き起こしました。移動の制限、外出禁止令、サービスの停止、社会的接触の機会の制限が、ジェンダーに基づく暴力のリスクを高め、必要な時に必要なケアを受けられない状況を作り出しました。リプロダクティブ・ヘルスに関する情報やサービスへのアクセスが減少したことで、国内では妊娠中の女性の疾病や死亡のリスクが上昇しただけでなく、特に若者の間では(性感染症や望まない妊娠などにつながる恐れのある)リスク行動が増加しました。

 

「日本政府は、永続的な平和と安定を求めるリビアの人々と常にともにいます。私たちは、女性と少女が尊厳を持って健康に暮らせる世界の実現を目指し、UNFPA、リビアの関係機関、医療従事者、市民社会、地域のパートナーと協働するのを心待ちにしています。本プロジェクトを通じて、日本はUNFPAと連携し、コロナ禍のリビアで、女性と少女の健康を守るために必要不可欠であるジェンダーに基づく暴力への対応や、リプロダクティブ・ヘルスに関するサービスへのアクセス向上のために尽力します」と、在リビア日本大使館の天寺祐樹臨時代理大使は話しました。

 

UNFPAリビア事務所代表のアスル・トソンは「リビアの女性と少女が、質の高いリプロダクティブ・ヘルスとジェンダーに基づく暴力への対応サービスをより享受できるよう、日本政府と国民のみなさまが支えてくださることに心より感謝しています。本プロジェクトは、長く続いた紛争から平和と安定への移行期にあるリビアにおいて、弱い立場にある女性や少女をサポートし、新型コロナの影響を軽減する助けとなるでしょう。私たちのパートナーシップが、リビアの人々の苦しみを和らげるために大きな役割を果たすことを期待しています」と述べました。

 

本プロジェクトは、主に2つの要素に焦点を当てています。第一に、ジェンダーに基づく暴力への対応において、心理的サポート、ケースマネジメント(個別の事案に基づいた問題解決)、医療機関へのリファラルなど、多分野にわたり質の高いサービスを提供し、女性と少女のためのセーフスペースの維持とサービス提供者の能力および意識の向上を目指します。

 

第二に、必要不可欠なリプロダクティブ・ヘルス・サービスの提供に関して、紛争の被害や新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた地域の保健施設で、緊急産科・新生児ケアサービスを提供するモバイルチームを支援します。対象となる保健施設では、医療機器、消耗品、安全な出産キットの調達と配布を行うほか、保健サービス提供者の能力向上を図るとともに、妊娠・出産時における新型コロナの予防・対応・リスクコミュニケーションに関するトレーニングを第一線で働く医療従事者に提供します。さらに、リプロダクティブ・ヘルス・サービスや新型コロナのリスクと予防策についての啓発活動も実施します。

 

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【問い合わせ先】

UNFPA リビア事務所

コミュニケーションアナリスト

Salman Khalid

メール: ksalman@unfpa.org