2022年7月11日ーニューヨーク/2022年7月12日ー東京
7月11日の世界人口デーに合わせて、国連経済社会局(UNDESA)人口部は「世界人口推計2022年版」を発表しました。
「世界人口推計」とは、国連による世界人口に関する推計値をまとめた報告書です。
今回公表された報告書によると、世界人口は、2019年の推計より早まり、今年11月15日に80億人に到達する見込みです。また、2058年には約100億人に増加した後、2080年代には約104億人でピークに達し、2100年までその水準が維持されると予測されています。また来年2023年には、インドが中国を抜いて世界で最も人口の多い国になると予想されています。
報告書には、その他にも、少子高齢化、国際移動、開発など様々な人口問題の現状を示すデータがあり、主な概要は以下の通りです。
- 世界人口は増加傾向にありますが、2020年に世界人口の増加率は1950年以来初めて1%を下回り、増加率は減少しています。
- 出生率の低下を目指す政策は、世界人口の増加率に即効性のある影響を与える見込みはありませんが、今後も数十年にわたって少子化が続くようであれば、今世紀後半における世界人口の増加率を減少させる可能性があります。
- 急速な人口増加は、開発停滞の原因であるとともに、その結果でもあります。
- 平均余命は世界的に延び続けているものの、2021年時点において、後発開発途上国の平均余命は世界平均より7歳下回っているなど、地域間の格差は依然として残っています。
- 労働年齢人口の増加は、1人当たりの経済成長を促進させる効果が期待されます。
- 高齢者の人口は、人数および世界の総人口に占める割合においても増加しています。
- 2022年から2050年の間に61の国・地域の人口が1%以上減少すると予測されており、人口が減少する国は近年増え続けています。
- 国際的な人口移動は、一部の国においては人口動態に大きな影響を与えています。例えば高所得国においては、2000年から2020年の移民の流入による人口増加(8050万人の純流入)が出生と死亡件数の差(6620万人)を上回ります。
- 新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、人口変動の要因である3つの要素(世界平均余命、出生率、人口移動)全てに影響を及ぼしました。
- 人口データは、開発計画の遂行や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けての進捗状況を確認する上で重要な基本情報となります。
・『世界人口推計2022版:要旨』の全文(英語)はこちら
・『世界人口推計2022版』の全文(英語)はこちら
関連記事:世界人口は2022年11月15日に80億人に達する見込み(2022年7月11日付 国連経済社会局プレスリリース・日本語訳)