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UNFPA発 世界の声が聞こえますか?第2回 『若年結婚 土地の習慣で親に決められて』(エチオピア)(1)

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エチオピアの北西部にあるアムハラ地域に住む12歳のサラエさんは4か月前に結婚してから、主婦をしています。小学校には通っていません。相手は会ったこともなかった10歳年上の男性で、2人の両親が決めた結婚でした。

「こんなに早く結婚して、学校をやめなければならなくなるなんて想像もしなかった」と言うサラエさんは、通学中の女の子をうらやましそうに見つめています=写真。

この地域では、経済的な理由から若年結婚は珍しくなく、「女の子が賢くなる前に、家庭に閉じ込めてしまう」習慣があります。5人に1人の女の子が10歳を迎える前に、2人に1人の女の子が15歳までに結婚しています。

エチオピア政府は1998年に、18歳未満または双方の同意のない結婚を違法としましたが、古くから土地に根付いた習慣をなくすのは難しいといいます。

女性が若いうちに結婚させられてしまうと、学校に通えず教育を受けられなくなる場合があります。また、子どもの体のうちに赤ちゃんを産むことにもなり、母子ともに命の危険にさらされる心配があります。 しかし何よりも、すべての人々が、いつ、誰と結婚するか、どんな人生を送るのかを選ぶ権利があるのに、それが守られていないことが一番の問題です。

この問題に対して国連人口基金は、「教育」と「啓発」という2つの対策をとっています。読み書きや自分でお金をかせぐ方法を学べば、結婚して家に入る以外の将来も実現可能になります。また、女子教育の普及と同時に、若年結婚が女性のさまざまな将来の可能性を奪ってしまうことについて地域の人たちに説明しています。

◆親子で考えよう◆
みなさんが、むりに結婚させられそうになったらどうしますか?

掲載:朝日小学生新聞(2009年2月14日号)