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本日、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)が閉幕し、40以上の国々から参加した各国の首脳らは、保健医療システムの向上、母子保健の推進、およびエイズやその他の感染症予防への効果的な取組みが、アフリカ開発の重要な鍵であると合意した。

日本政府の主催で3日間にわたり開催された当会議には、86カ国の代表ならびに多数の国際機関が参加した。閉会式で採択された「TICAD IV 横浜行動計画」では、これらの保健分野の最優先課題が強調されている。

「元気なアフリカを目指して:希望と機会の大陸」というテーマのもと、同会議では、経済成長の加速化、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成、平和の定着・民主化、環境・気候変動問題への対策が模索された。これらの課題に取組むため、「横浜宣言」と「TICAD IV 横浜行動計画」が採択された。

国連人口基金(UNFPA)は、会期中、リプロダクティブ・ヘルスに対して注目がなされたことを、心強く感じている。

福田首相は、TICAD IV開会に寄せての基調演説で、2012年までに日本のアフリカ向け二国間政府開発援助(ODA)を倍増し、アフリカの保健医療分野に従事する人材を10 万人育成するほか、世界エイズ・結核・マラリア対策基金への拠出を増加すると明言した。また首相は、人口問題がアフリカ開発において重要な課題だとし、母子保健を改善するための支援を約束した。

アーシャ=ローズ・ミギロ国連副事務総長は全体会合の中で、2015年までのミレニアム開発目標(MDGs)達成に関しては、「アフリカは後れを取っている」と述べた。ミギロ副事務総長は、国際開発パートナーによるMDGsアフリカ運営委員会が、農業、教育、保健医療システム、子供の生存、交通およびエネルギー、そして水と衛生面の確保、さらにブロードバンド接続普及への投資の必要性を指摘したと報告した。

記者会見では、これらの提言をさらに発展させ、MDGsの5番目の目標「妊産婦の健康の改善」に関連する妊産婦の死亡率の削減について、特に取り組むべき課題として言及し、「妊産婦死亡率を削減することは、全ての目標を達成させるための中核を担っています」と述べた。

国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは、分科会「人間の安全保障の確立:MDGs達成」に参加したリーダー達に対し、以下のように訴えた。「全ての MDGsの中で、目標5『妊産婦の健康の改善』に対する資金が最も少なく、そして最も達成が危ぶまれています。そしてその犠牲となっているのはアフリカの女性とその家族の命なのです。女性の健康を、政治ならびに開発分野における最優先事項にするべきです。」

2006年に採択されたリプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する「マプト行動計画」に言及し、「横浜行動計画」では、リプロダクティブ・ヘルス・サービスへのアクセスを全ての人が享受できるようにすること、またアフリカの女性が熟練した保健医療従事者の立会いのもとで出産をする割合を5年間のうちに 75%まで引き上げるとしている。現在アフリカでは、助産師立会いのもとでの出産件数は半数にも達していない。

「横浜行動計画」採択後、事務局長は、「アフリカのリーダー達と開発分野のパートナーは、女性への投資そしてリプロダクティブ・ヘルス分野への投資がアフリカの開発を成功に導くための不可欠要素であることを既に認識しています。国連人口基金は、それを実行に移すために支援活動をしていきます」と述べた。

日本政府と国連アフリカ特別顧問室、国連開発計画、世界銀行により開催されたTICAD IVは、アジアーアフリカ貿易、投資、技術協力を強化するために、アフリカとその開発パートナーの政治的対話を15年継続してきた。

さらに今回のTICADでは、保健、教育、農業と食糧安全保障、インフラ整備、貿易の円滑化、および国の統計処理技術などの分野への投資の規模拡大を促進し、開発援助の予見可能性を高め、そしてMDGsを達成するためのアフリカ諸国の取組みを推進するための協力体制を構築するための議論がなされた。

問い合わせ

William A Ryan
横浜、TICAD会議場(5月26日~30日)
日本滞在中の連絡先:090 1620 8365
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