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既にお知らせしましたように、5月27日、横浜の「はまぎんホール」において、国際シンポジウム「アフリカの開発と女子教育―就学率の向上を目指して」が、文部科学省と横浜国立大学の主催で開催されました。会場は400名を超える参加者で埋め尽くされ、アフリカの女子教育問題に対する関心と熱意がうかがわれました。

冒頭に基調講演を行ったリベリアのエレン・ジョンソン=サーリーフ大統領は、アフリカの教育現場に依然として存在する男女格差、それを取り巻く要因について説明を行った後、問題解決の必要性について強く訴えました。これに続いて基調講演を行った日本赤十字日本赤十字九州国際看護大学の喜多悦子学長は、ご自身の経歴や日本の例を紹介しつつ、女性の識字率と乳児死亡率との関係などに触れ、アフリカにおける教育の改善策についてユニークな提言をなされました。

国連人口基金の事務局長トラヤ・A・オベイドは、教育以外の分野の専門家として、基調講演に続いて行われたパネル・ディスカッションに参加し、人口と開発の観点から教育の重要性を訴えました。事務局長は、教育、とくに中等教育が女性のエンパワーメントにつながるという点を強調し、サウジアラビア出身という自らの経験に基づき、伝統的社会における教育の重要性についても指摘しました。また、国連人口基金が推進しているライフスキル教育についても触れ、将来社会に貢献できる若者の育成が重要であるという点を強調しました。

最後に、会場に集まった一般参加者から多くの意見や質問がなされ、ステージ上のパネリストらと活発な意見交換が行われました。事務局長も、最後にミレニアム開発目標に触れつつ、「女性と子供がこれ以上死の危機に脅かされることがないように、保健医療の問題には、常にリプロダクティブ・ヘルスの視点を忘れてはなりません」と述べ、リプロダクティブ・ヘルスに関する教育の重要性を訴えました。

このシンポジウムについては、今後、読売新聞に記事が掲載されるほか、概要が文部科学省または横浜国立大学のウェブサイトに掲載される予定です。