ある男がソーシャルメディアで私になりすまし、他の男性たちとオンラインで性的に過激な会話を交わしながら、彼らに私のプライベートな写真を送っていました。
その男はさらに、私の住所や予定、プライベートや仕事、家族の情報なども他の男性たちに伝えていました。その情報を受けとった男性たちから私にメッセージが四六時中届くようになり、携帯電話の番号を変更しなければなりませんでした。
私になりすました男は、私がその男性たちに会いたがっていて、彼らとレイプのような性行為を望んでいると思わせるようなメッセージを送り続けました。Facebook上で実際にチャットしているのが私だと信じていた男性たちは、私が毎日訪れる場所にやって来ては、私を探すようになりました。街を歩いていて、気づかれることもありました。男性たちは性的な意図を持って私に近づいてきました。こんなことが数年間で50回ほどありました。
初めてこうした被害が起こった時、初対面の人がなぜ私のことをこんなにも詳しく知っているのか、理解できませんでした。その最初に現れた男は、私の家の近くの角に立っていて、卑猥なことを言ってきました… 私はすっかり怖くなって家に逃げ帰りました。
誘拐されるのではないか、レイプされるのではないか、殺されるのではないかと不安でたまりませんでした。1年半の間、私はほとんど家から出ませんでした。仕事は自宅からリモートで行いました。私の状況を茶化したり、大げさだと言う友人とは距離を置きました。ほとんどの男友達は私になりすました男と連絡を取っていて、中には私の写真を受け取った人もいました。私はゾンビのようになりながら、この状況から抜け出すためにどうしたらいいか、方法を探し続けました。引っ越すことも考えましたが、これはどこに住んでいたとしても起こりうることです。その場から逃げたとしても、あまり意味はありません。
ソーシャルメディアで起きていることなら大したことではないと、誰も深刻に捉えてはくれませんでした。
初めて被害にあってから2年近くが経ったある日、偽のプロフィールを作った男から話しかけられたと、近所の人が私に教えてくれました。この警告をもとに、私たちは(その男との)会話を録音し、それを(捜査当局の)被害申立窓口に提出し、その後立件されました。
[偽アカウントから送られたメッセージを通じて、一人の男が特定されました]
接近禁止命令がその男に下され、私にはパニックボタンが与えられました。
今もなお、見知らぬ男性と話すことに恐怖を感じています。ネットに出回ってしまった私の写真を見て、恐喝やセックスを求めてくるような人である可能性もあるからです。自分のコンピュータや機器が故障すると、誰かがハッキングしようとしているのではないかと不安になります。友人や家族と一緒の写真をインターネットに投稿することはありません。ソーシャルメディアで知らない人がフォローしてきたら、その人のことを詳しく調べます。身分が証明されていない友達リクエストは承認しません。誰かが私のメールアドレスにログインしようとしたという通知を受け取るたび、私は完全にパニック状態になってしまいます。
デジタル暴力は、技術革新と同じ速さで変化していきます。毎日24時間体制で四方八方から新たな攻撃が絶え間なく仕掛けられてきます。自宅でくつろぎながら被害者をコントロールできる加害者は、休む必要もありません。
加害者に伝えたいことがあります。暴力は、デジタルだからといって(現実より)軽いものではないのです。そして、このような暴力を受けた人たちへ。私たちは自由に生きる権利があります。それと逆行するような出来事があれば、私たちはその鎖を断ち切るために闘わなければなりません。
*プライバシー保護のため、名前と個人情報を変更しています。また、画像はイメージです。
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国連は、毎年11月25日「女性に対する暴力撤廃の国際デー」から12月10日「人権デー」までを「ジェンダーに基づく暴力(GBV)に反対する16日間」として、世界中でキャンペーンを展開しています。UNFPAのテーマは「#STOPデジタル暴力」。ジェンダーに基づく暴力とインターネットに焦点を当て、デジタル暴力を経験した女性や少女の体験談を紹介しています。
本文は当該記事を、駐日事務所にて独自に翻訳及び編集したものです。