国連人口基金(UNFPA)と国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は、世界各国で行っている健康増進のための事業のため、協力体制を拡張することに合意した。
本日ニューヨークにて、両団体の代表が協力合意書に調印した。これは、災害や疫病などで苦しむ人々に対し、より効果的な支援をするために、新たな協力体制が必要だという認識のもとに実現した。
国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは、「緊急時においても必要なリプロダクティブ・ヘルス・サービスを誰もが享受できるように、国家レベルでの能力強化が必要です。国際赤十字・赤新月社連盟と協力することで、人道危機の深刻な影響を緩和し、ミレニアム開発目標の達成に貢献することができるでしょう」と述べた。
この協力合意書は、既にある両団体が国家レベルで行っている啓発活動、サービスの提供、訓練、能力開発などに関する協力体制についての合意を継承したものである。
「地域社会における疾病予防と基礎的保健サービスの提供は、最優先課題の1つです。応急処置と健康教育を各家庭に提供する何百万人もの赤十字と赤新月社のボランティアの存在は、効果的な地域社会の健康推進に欠かせません。国連人口基金と共同事業をすることで、妊産婦の健康、家族計画、リプロダクティブ・ヘルス、そして栄養バランスの管理などの分野において、貧困や災害により被害を受けた社会的弱者に対する支援に大変効果をあげています。ですから、我々は本日の合意の更新を歓迎します」と、国際赤十字・赤新月社連盟の事務局長ベケレ・ゲレタ氏はコメントした。
国連人口基金のカントリー・プログラムは、リプロダクティブ・ヘルスの推進、開発のための人口データ作成、ジェンダーの平等の推進と女性の社会的地位の向上に焦点をあてている。そして1994年から2007年の間に、自然および人的災害の影響下にある105の地域で活動してきた。
地域社会に根差し、人々を動員することを得意とする国際赤十字・赤新月社連盟と協働することにより、緊急時に備える対策と、緊急時での対応、そしてその後の復興への取組みにおいて、国連人口基金の技術的な専門知識をより一層活かすことが可能であろう。
危機的状況下では、社会構造・体制のほとんどが、損なわれるか、あるいは完全に崩壊する。HIV感染が加速し、ジェンダーに基づく暴力は増加する可能性がある一方、レイプ被害者を支援する機関が従来通り機能しない、または皆無となる。保健システムの崩壊により、緊急産科ケアを受けることが難しくまたは不可能となる。リプロダクティブ・ヘルス物資が不足し、避妊薬具の入手が困難になることもある。国家レベルでの国際赤十字・赤新月社連盟と国連人口基金との協力体制を強化することによって、これらの問題がより迅速に認識され、また迅速に解決策が取られるようになることが期待される。
問い合わせ
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)
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国連人口基金(UNFPA)
●ジュネーブ
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Humanitarian Liaison Specialist
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Eメール:lbaker@unfpa.org