貧困率、十代の妊娠率、妊産婦死亡率の高さに悩むアンゴラでは、若い女性が生理用品や、「性と生殖に関する健康」についての情報にアクセスできないことが多い。アンゴラに住む10代のセルマさんは、この状況を変える取り組みに参加している。
ナミベ州ビバラ市で育ったセルマさんは、月経のことで日常的に困難に直面していた。しかしその後、月経の健康管理に関する一連の講義に出席し、考え方が変わった。
この取り組み「アンゴラの干ばつの影響を受けた州における若者と国内避難民(IDPs)のための月経衛生管理(MHM)及びライフセービング」は、日本政府の資金援助を受け、UNFPAとアンゴラ政府が実地している。
セルマさんは、月経衛生管理のほか、性と生殖に関する健康、性感染症、ジェンダーに基づく暴力(GBV)の予防について学んだ。また、彼女と他の少女たちは、月経をより適切に対応するために必要な衛生用品が入った「尊厳キット」を受け取った。
今では彼女はこう言う。「私はもう、自分の身を守り、月経衛生に気をつける方法を知っています。妊娠可能な期間や、月経の周期について学びました」。これらの問題について自ら学ぶことで、彼女は健康になり、自信が持てるようになり、今では他の若い女性や少女たちにその知識を共有している。
講義とキットは、情報と製品を提供するだけでなく、尊厳と機会をも提供する。「ナプキンなどの物資を買う余裕のない少女がたくさんいます」と、セルマさんは言う。「神に感謝します。神は誠意をもってこれらのキットを提供してくれる人々をここに連れてきてくださったのです」。
この取り組みは、アンゴラの数万人に届き、セルマさんのような十代の若者たちの人生に長期にわたる影響をもたらしている。アンゴラ、そして世界中の少女たちが、医療サービスを受け、自分たちの権利を知ることができるようにすることは、社会をよりよい明日へと導くだろう。
(10月11日の国際ガールズデーに寄せて、UNFPA本部のウェブサイトに掲載された「世界に希望をもたらす6人の若い女性」から抜粋しました)
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アンゴラの干ばつの影響を受けた州における若者と国内避難民(IDPs)のための月経衛生管理(MHM)及びライフセービング
「アンゴラの干ばつの影響を受けた州における若者と国内避難民(IDPs)のための月経衛生管理(MHM)及びライフセービング」は、クネネ州とナミベ州の10歳から19歳の少女や少年を対象に、性と生殖に関する健康(SRH)、月経衛生管理、性感染症、ジェンダーに基づく暴力(GBV)の防止に関する人道的対応を行った。
2023年には、1万3,500人にSRHとGBVに関する重要なメッセージが伝えられ、4,500個の尊厳キットが少女に届けられ、月経衛生管理のトレーナー55人が認定された。また、助産師の仕事を支援し、清潔な出産を可能にするキットが3万人の女性に配布された。同様に、性感染症を治療するためのキットも、3万人に配布された。この取り組みは、国連人口基金(UNFPA)がアンゴラ政府とのパートナーシップで実施しており、日本政府が資金援助を行った。