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2週間に及ぶ「Fistula Fortnight」キャンペーンの8日目までに、産科瘻孔に感染した348人の女性たちが、北ナイジェリアに作られた4つの会場で、ナイジェリアの外科医チームと国際ボランティア医師団による外科治療を受けた。3月6日までの2週間の間にさらに何十人もの女性が産科瘻孔治療をうける事が見込まれている。

「とてもうれしいです。」と、そのキャンペーンの初日に、カチーナにあるババ・ルガ(Babba Ruga)フィスチュラ病院で治療を受けた10人の女性の中の1人である13歳のウバイダ・スラジョ(Ubaida Surajo)は語った。「医療団の医師、看護士、そして漏出を防ぎ、私を救って下さったすべての人々に感謝している。」

12名のナイジェリア人外科専門家は、何百人もの女性たちをソコト、カノ、カチーナ、ケッビ州の4つの会場で、外科治療を行い社会復帰させるために、米英両国国際医師4名、ナイジェリア人医療研修生12名、そして看護士40名とソーシャルワーカー40名から成るチームに参加した。

産科瘻孔は、女性が長期の、それは時として数日間にも及ぶ、閉塞性分娩に近代的な医療介入なしで耐えるという事態により発症する悲惨な出産障害である。また、死産や妊婦が慢性的な失禁症を抱える原因にもなる。産科瘻孔に冒された女性は健康状態を非難され、彼女達の夫に見捨てられ、共同体からも追放される可能性がある。

調査の結果、毎年、2万件の産科瘻孔の新規発症が見積もられ、80万人ものナイジェリアの女性が産科瘻孔にかかっている可能性があることが判明し、この問題は特にナイジェリアの北部の州で深刻であり、ナイジェリアの女性が出産時の合併症から死ぬ確率は1/18にも上る。しかし、この数値はヨーロッパでは1 /2400まで減少する。

「ナイジェリアでは、女性は本来、彼女の家族や街の人々に健康を提供する人であると認識されている。」と、カノ州で女性問題監督官であるガジ・ダンタタ (Gaji Dantata)氏は述べている。「しかし、文化的慣習、社会抑圧、非識字、そして社会が未成熟なことにより、彼女達自身の健康への関心や必要性はしばしば見過ごされている。」

ナイジェリア政府は、連邦、国家、地域レベルでこのキャンペーンを成功させるために重要な役割を果たしている。保健省と女性問題省は設備と支給品を提供し、リハビリプログラムのための資金を準備した。4つの州政府は設備を改築し、訓練によりスタッフを育成し、食糧と移動手段を患者たちに供給した。

「ナイジェリア政府は国連人口基金の支援に頼り続けるであろう。」と、UNFPA(国連人口基金)アフリカ事務所長のファマ・バー(Fama Ba)氏は述べた。「我々はともに、緊急時に良質の産科介護が利用できるようにしなければならないし、男性と地域も共に産科瘻孔に対して闘う姿勢を確立しなければならない。」

予防はフィスチュラ撲滅のカギとなる。母体健康介護へのアクセスとその質を改善する事で、ナイジェリアや世界各国で、妊娠また出産時に合併症で亡くなった何百人、何千人もの女性の生活を助けることができるであろう。

「産科瘻孔は予防できる病気である。手術がなければ、この女性たちの人生がどのようなものであったか、と私は考えたくない。」と、ナイジェリア系イギリス人であり、このキャンペーンに参加した4人の国際医師の1人であるグロリア・エッセボナ(Gloria Esegbona)は語った。

このキャンペーンは、資源、専門的知識、医療設備を提供し、これが現実のものとなるよう尽力した国連人口基金、ナイジェリア政府、バージンユニナイト(Virgin Unite)、ナイジェリア赤十字、VSO、健康問題に関する専門家や現地のNGOの独自の協力の成果である。

このキャンペーンは、国連人口基金とそのパートナーが2003年に産科瘻孔を撲滅させようと始めた世界的キャンペーンの一環である。アフリカ、南アジアそしてアラブ地域の35以上の国と地域で実施されているこのキャンペーンは、産科瘻孔を予防することと、感染してしまった女性をケアすること、そして手術後の女性に社会的援助を提供することに焦点を置いている。