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2017年4月12日

イラク・バグダッド:2017年4月12日‐イラクにおける人道危機が4年目を迎え、女性と少女たちは最低限のリプロダクティブ・ヘルス・サービス(性と生殖に関わる健康・サービス)さえも受けられず、またジェンダーに基づく暴力Gender Based Violence/GBV)のリスクにさらされた非常に危険な状況に置かれている。470万米ドルという日本政府からの寛大な支援により、国連人口基金(UNFPA)は13万人の女性と少女たちにリプロダクティブ・ヘルスそしてGBVに対応するサービスを供給できるようになる。

モスルや他の行政地区(サラーハッディーン、アンバール、キルクーク)で続く戦闘により、紛争から逃れなくてはならない妊婦たちは、流産以外にも命にかかわる妊娠・出産の合併症のリスクに直面している。また、最近の軍事作戦により「イラクとレバントのイスラム国」(ISIL)から奪還された地域では、女性たちのほとんどが、ISILの統治中にリプロダクティブ・ヘルス・サービスを受けられない、あるいはあったとしても非常に限定的なものであった。緊急救援を行う機関として、UNFPAは常設・移動式両方の方法を採用し、リプロダクティブ・ヘルス・サービスを提供している。この支援により、西モスル地区を含め、ISILから奪還された地域では、迅速なサービス提供が可能となっている。

日本政府からの寛大な支援により、UNFPAは、国内避難民キャンプやISILから奪還された地域で、分娩室やリプロダクティブ・ヘルス・クリニックの設置・運営をさらに拡大することができるようになる。さらに、複数の産科病院や政府が運営している医療施設の修復や運営も継続できる。

その中には、 2013年に日本政府の支援のもと設立された、ファルージャ産科病院も含まれている。

以前、公使としてファルージャ産科病院の設立支援の指揮を取った岩井文男駐イラク日本国全権大使は、「この支援を通して、女性や少女たちを含め、紛争に巻き込まれた家族に支援の手が差し伸べられることを日本は期待しています。なぜなら私たちは、厳しい状況下に置かれている脆弱な人々の尊厳を守ると決意しているのです」と述べ、UNFPAが果たしている重要な役割を称えた。

UNFPAは、日本政府との継続的で有意義な協力関係を通して、国内避難民キャンプやISILから奪還された地域に女性センターを設立し、GBV被害者に対して心理的・社会的支援をさらに拡大していく。UNFPAはリプロダクティブ・ヘルスとGBVに対応するサービスを統合することで、GBV被害者が迅速に医療そして心理的・社会的支援を受けられるような環境を整えていく。