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国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドからのメッセージ

よりよい生活を求めて国境を越えて移動する人々の数は1億9500万人に上ると推定され、世界人口の3%以上となっています。国際移民デーを迎える今日、この母国を離れて生活している男性、女性そして子供たちに思いを馳せましょう。

今日の世界において、移住者の文化や民族、経済的・社会的背景は様々に異なっているので、人口移動は全ての国に影響を及ぼす問題です。移住者が自分たちの望みを叶え、移住先の国と祖国双方の発展に貢献できるよう、私たちは尽力していかなければなりません。相互理解を深め、基本的人権の尊重を助長するための政策や法律を整備することが、前進へのいちばんの近道となるでしょう。

現在、移住者のほぼ半分は女性であり、ジェンダーの平等は重点的に取り組むべき課題です。女性移住者は、伝統的に女性の仕事とされる職業に就くことが多く、そういった規制のない職業に従事する場合、人身売買を含む搾取や虐待に遭遇する高い危険にさらされます。したがって、彼女たちの人権を擁護するための政策や法律を整備する必要があります。さらに、移住先の国ではその国の家族・経済に利益となるサービスを提供し、また、得た賃金のほとんどを母国に送り、地域社会や家族の生活を向上させているという、女性移住者の多大な貢献を認識する必要性もあります。

これは、国連人口基金が発行した、女性と国際人口移動をテーマとした世界「人口白書2006」のメッセージでもあります。白書では、移住者が法的サービスや、リプロダクティブ・ヘルスサービスなどの医療サービスを、その国の人々と同等に受けられるよう求めています。

国際移民デーの今日、移住者も含めた全ての人々の人権のため立ち上がりましょう。差別や虐待に抗することによって、人類の苦痛を減らし、全ての人々に利益をもたらすよう社会的連帯を促進しましょう。

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