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2011年5月3日
ニューヨーク、国連

国連経済社会局人口部が発表した『世界人口推計-2010年改訂版-』によると、世界人口が70億人に達するのは今年10月31日であると予測されている。

国連人口基金(UNFPA)は、この世界人口に関する重要な節目を、パートナーや一般市民に知らせるために、様々な活動を企画している。

国連人口基金事務局長 ババトゥンデ・オショティメインは、「世界人口が70億人に到達することは、挑戦(challenge)であると同時に機会(opportunity)でもあります。また、世界規模で平均寿命が長くなり、人々はより健康的な生活を送り、より小さな家庭を持つことを選んでいます。しかし、現代社会の不公正を是正し、現在を生きる人々が健やかな生活を送り、また次世代がそれに続くためには、新しい考え方や今までにない世界規模の連携が必要です」と述べた。

「この人口推計は、特に2億1,500万人の女性に対して、安全で効果的な家族計画の普及の緊急性を強調しています。出生率のわずかな変化も、世界各国が時間をかけて少しずつ変われば、大きな変化をもたらします。私たちは、すべての女性と男性が子どもの数や出産間隔を決められ、基本的な人権を享受するために投資しなければなりません。」

「『世界人口推計-2010年改訂版-』は、人口増加が予測される多くの後発開発途上国の大多数を占める若い人々に機会を与えることの重要性を説いています。若者が健康、教育、働きがいのある人間らしい仕事環境を得る権利を享受できれば、母国の貧困を撲滅する能力を向上させることができます。」

また、すべての地域において、より長い寿命が予測されており、そのうち多くの国々では低い出生率が同時に進んでいるため、高齢化の課題に直面することになると事務局長は指摘している。そして、「高齢者に対する医療ケアや社会的なセーフティーネットの整備をするのと同時に、総人口のうち最も多い割合を占める若い世代を支援していくことを前もって計画しなければなりません」と述べた。

国連人口基金は、7月11日の「世界人口デー」を機に、世界人口に関連した一連の活動を開始する。またそれと同時に、世界人口に関連した様々な課題に対し、個人や団体の関心を促すために「ナショナル ジオグラフィック」を含む様々なパートナーとともに、ソーシャルメディアを用いたキャンペーンを始める。例えば、都市化、女性の地位向上、環境の持続可能な開発などのテーマを扱う予定である。

国連人口基金は、「国連デー」である10月24日から、70億人目の赤ちゃん誕生まで、7日間のカウントダウン・イベントを企画し、31日当日は、世界70億人に関する挑戦と機会について分析した『世界人口白書』の発表を予定している。

国連人口基金は、すべての女性、男性、そして子どもが健康な生活を送り、平等な機会を享受できる世界を実現するために活動する国連機関である。国連人口基金は、貧困を減らし、望まない妊娠をなくし、すべての出産が安全に行われ、 すべての若者HIV/エイズの脅威にさらされることなく生活し、すべての女性と少女が尊重され、 尊厳ある人生を送ることができるよう、人口統計データを用いながら、様々な国の政策を支援している。