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10億人の若者:健康、情報、サービス受給の権利 ~国連人口基金、若者の支援に向けた更なるアクションを要請~

10億人の若者:健康、情報、サービス受給の権利 ~国連人口基金、若者の支援に向けた更なるアクションを要請~

Press Release

10億人の若者:健康、情報、サービス受給の権利 ~国連人口基金、若者の支援に向けた更なるアクションを要請~

calendar_today 06 5月 2003

東ヨーロッパにおいてHIVAIDSは世界で最も早く広がっている。しかし、教養のある東欧の若者は、自分達の身を守るはずのコンドームを使用しない理由をいくつも列挙するのである。

例えば、「(コンドームを使用するのは)恥ずかしい」とこわもてのおしゃれな若者は言い、「(セックスは)自然なままが良い」と腕いっぱい入れ墨がある黒ずくめの男は認め、「私たちは信頼し合っているので」と抱き合ったカップルは言う。

このような若者の姿勢を前面に押し出した新しい広告キャンペーンが国連人口基金の支援により、ワシントンに本部を置くソーシャルマーケティング団体の国際人口事業(Population Services International)が手掛けている。

「あなたの言い訳は何ですか?」というフレーズがこのキャンペーンのスローガンで、うたい文句は「言い訳は通用しません。コンドームを使いましょう」である。

このキャンペーンは15-25歳の若者を対象にし、広告、ポスター、Tシャツ、テレビ・ラジオを通じたコマーシャル、コンドームの包装等が含まれており、全てにダークな色調を使用した最先端の写真やセクシーで地味なモデルを使用している。このキャンペーンは2003年4月にベオグラード(セルビア・モンテネグロ)のアダ湖と5月にブルガリアのソフィアで開催されたスポーツと音楽のイベントから始動し、約10万人の若者が参加した。またこのイベントは近々、ボスニア・ヘルツェゴヴィナで開催される予定。イベントに参加し、11都市でビラを配ったボランティアは、このキャンペーンが若者の現実的な経験や気持ちにもとづいていると賛同を示した。

調査によると、コンドームの値段ではなく若者のライフスタイルや態度がより東欧の若者のコンドーム使用を妨げている。「あなたの言い訳は何ですか?」は、東欧の若者に対してより安全な行動をとってもらうための1つの社会的なマーケティングキャンペーンであるといえる。「私は、私がしたいことをするけれど、何をしているかはきちんと理解している」というスローガンを使用したもう一つのキャンペーンは、やはり国連人口基金が支援しているアルバニアの若者を対象としたキャンペーンである。

性感染症を予防するためのコンドームの使用は、特に東欧地域では大変重要でタイムリーなメッセージである。なぜならHIVの流行が急速に進んでいる中で実際にHIVに感染しているのは今現在東欧人口の1%弱にとどまっているからである。

東欧でのHIVAIDS感染は当初、麻薬使用者間の注射針の使い回しにより広まったが、現在では性交渉により感染が拡大し急速に一般の人々をおびやかし始めている。東欧におけるその他の性感染症の流行がHIV/AIDSの性感染をも容易にしている。また、ソビエト連邦の崩壊に伴い国境間の流通が容易に麻薬の使用が増加していることも一因となっている。

HIVAIDS予防プログラムが充実している中央ヨーロッパのいくつかの国では麻薬使用者間の感染を抑えることにより、一般への感染拡大も防ぐことに成功している。

若者に危険な性行動を避けるように説得する事は東欧地域における国連人口基金の活動の最優先課題である。青少年のリプロダクティブヘルス・ HIVAIDSに関する国連人口基金の専門家、アレクサンダー・ボディロザ氏によれば、現在、東欧の好機の窓は閉じられ、HIVは伝染病的に広がっている。若者の行動の改善に焦点を絞り介入していくことで、何百人、何千人の若い命を救うことが出来る可能性がある。ボディロザ氏はまた、現在、東欧地域のたった40%の在学中の青少年と3%の就学していない青少年だけがこの様な行動改善プログラムにアクセスすることが出来ると付け加えた。

「あなたの言い訳は何ですか?」キャンペーンの様なマーケティングキャンペーンは国連人口基金が支援するHIV/AIDSを含む性感染症の拡大を防ぐ行動改善戦略の1つである。その他の戦略としてはピア教育や「若者に優しい(youth-friendly)」リプロダクティブ・へルス・サービスの普及等がある。